【おそ松さん】ある学生の受難＜3＞【マフィア松】

公園2 ページ7

「『トト子ちゃん…？』」

「あれ？Aちゃん！久しぶりね！」

トト子ちゃんとは長期休みが明けてからは会えていなかった。

チョロ松さんとも面識があったとは。

「なんか珍しい組み合わせね。二人はこんな所で何してるの？」

トト子ちゃんは小首を傾げながら尋ねる。

トト子ちゃんとチョロ松さんが面識があるとは思わなかった。

チョロ松さんは長期休み中に私のスマホを見ているだろうから、トト子ちゃんと私が面識があることは知っているとは思う。

どう答えるべきか。

「あー、えっと…！アイドル！！彼女もトト子ちゃんのファンだってわかってアイドルトークをちょっと…」

「あらそうだったの！そうそう、Aちゃん、この前はメール返事出来なくてごめんね？その時期ね、丁度自分探しの旅でシンガポール行ってたの！」

チョロ松さんがうまく誤魔化してくれたお陰で、トト子ちゃんの興味は既に他の所へ行ったようだ。

メールとは恐らく、私がまだ軟禁されてスマホを没収されている期間に、六つ子の誰かが送った根回しのことだろう。

『あ…そうだったんだね。トト子ちゃんはすごいな。逆に気遣わせちゃってごめんね？』

「いいのよ、私は気にしてないわ！…ところでチョロ松君。せっかくだから、少し今後のアイドル活動について相談しときたいことがあるんだけど…いいかしら？皆に披露する前にマネージャーとしての意見を聞いておきたいの！」

チョロ松さんはトト子ちゃんのマネージャーだったのか。

その事実に衝撃を受けながらも、さてどうしたものかと思案する。

アジトへはいつも車を使っている。

私が車無しで一人でアジトに戻るのは恐らく不可能。

その時、私のスマホがポケットの中で震えた。

そっと見ると差出人はチョロ松さん。

「だれか向かわせるから公園ですこし待ってて。」

文面にはそう書かれていた。

慌てて入力した為か、所々ひらがなになっている。

トト子ちゃんは押しが強い所があるから、ここは断るよりもトト子ちゃんの申し出を受けた方が波風が立たなくて良いのかも知れない。

『じゃあ私はここで。またね、トト子ちゃん。披露楽しみにしてるね。』

「ごめんねAちゃん！あっと驚くようなパフォーマンスするから期待しててね！」

トト子ちゃんは笑顔でそう言いながらチョロ松さんを引きずるように連れ立っていった。

私はいつ連絡が来ても良い様にスマホを片手に持ったまま噴水近くのベンチに座った。

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