図書館[3]4 ページ30
「…っぐああっ!!!」
男の叫びと共に呼吸が出来るようになった。
『はっ……げほっ、げほ……』
一気に舞い込んできた空気に私は激しく咽せた。
私は咳き込みながらも、男が肩を押さえて仰け反る姿を視界の端に辛うじて捉えることが出来た。
そんな男に向かって誰かが駆け寄っていく。
「がああっ……!!!」
男が更に叫ぶ。
叫び声の合間に、何か音が聞こえる。
それは空気が爆ぜるような、何かがぶつかるような、はたまた何かが切り裂かれるような音にも聞こえた。
男の叫び声は段々弱まっていき、やがて何も聞こえなくなった。
静寂の中、此方に歩み寄る足音だけが響く。
誰かは倒れたままの私をゆっくり起こすと殴られた頬にそっと触れてきた。
怪我の具合を見てくれているのだろうか。
誰かは何も言わずそのまま私を優しく抱き上げた。
傍らには男が持っていたと思われるライト。
ライトの光が反射して、私を抱える誰かのシャツは何色なのか分からない。
安心感からか、私の意識は今度こそ完全に途切れた。
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紫かぶら(プロフ) - 狐火@リリさん» ありがとうございます。ラストのオチはかなり早い段階で決めていたので、そう仰って頂き嬉しいです。夢主ちゃんは六つ子に振り回される運命なんだと思います。新連載も予定しておりますので、機会があればお付き合い下さいませ。本当にありがとうございました。 (2018年10月9日 1時) (レス) id: fdc73fc447 (このIDを非表示/違反報告)
狐火@リリ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!展開がどうなるんだろう?!と楽しみにしてました!!仕事が終わってもずっといる六つ子と夢主ちゃん...ほんわかが続きそうですねw素敵な作品ありがとうございました! (2018年10月8日 22時) (レス) id: f1c0b03c70 (このIDを非表示/違反報告)
狐火@リリ(プロフ) - 紫かぶらさん» いやいや、全然気にしませんよ?!無理しないで紫かぶらさんのペースでふぁいとです!急かす人なんていませんから!ちゃんと読みますよー!更新ファイトです! (2018年4月30日 1時) (レス) id: 7e4f6c9350 (このIDを非表示/違反報告)
紫かぶら(プロフ) - 狐火@リリさん» 長期間更新していなかったにも関わらずこんな優しいコメントありがとうございます。完結に向けて頑張りますので、また読んで頂けたら嬉しいです。 (2018年4月29日 23時) (レス) id: d7e8ff9b83 (このIDを非表示/違反報告)
狐火@リリ(プロフ) - お久しぶりの更新お疲れ様です!待ってました!展開がすごい気になります!こうしんがんばってくださいー! (2018年4月28日 21時) (レス) id: 7e4f6c9350 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫かぶら | 作成日時:2016年10月7日 1時