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パーティー会場3 ページ17

『わあ…すごい…』

予想以上に会場内は煌びやかなものだった。

私は思わず感嘆の声を漏らす。

高価そうな調度品が惜しみなく飾られ、テーブルの上には色彩が美しい様々な食べ物が並ぶ。

「おそ松〜!Aちゃーん!こっちダジョー!」

此方に気付いたMr.フラッグが手を振っている。
傍にはフラッグコーポレーションで見かけた若い男性の他、屈強そうな男が二人立っている。
恐らく屈強そうな彼らがSPなのだろう。

周りには上品そうな服を着た中高年の男女がMr.フラッグを取り囲むように立っている。

此方はこのパーティーに招待されたであろう企業の重役だとか、あるいは要人なんだろう。

パーティー客の平均年齢はかなり高い。
そんな中にいる私達は良くも悪くも浮いている存在だ。

流石にあからさまなものは無いが、好奇に満ちた視線がたまに此方を向く。

「おーおー結構注目されてんねぇ。」

おそ松さんは鼻の下をこすりながら嬉しそうに笑っている。

私は終始緊張しっぱなしだと言うのに、何故あんなに平気でいられるのだろうか。

「まあ目立つ方がいいっしょ?Mr.フラッグがお近付きになりたい人にいち早く気付いて貰う為にも、さ。」

ウェイターからドリンクを受け取りながらおそ松さんは相変わらず飄々としてMr.フラッグと話している。

流れとしては私も受け取った方が良いだろう。

ドリンクを手に取ってしばらく、私は張り詰めた嫌な気配を感じた。

それは此方に向けられたものではないものの、緊迫している。

視線はそのまま、私はそっと気配を探る。

周囲に溶け込んでいない気配は見なくても分かる。
そういう気配を纏った人がどの辺にいるのかというのも大切な情報の一つである。

これはトド松さんに教わったもの。

矢張り、マフィアが紛れているのだろうか。

パーティーの主催であるウィルバーさんは裏社会の人間にとって、それ程貴重な存在ということだろうか。

やがて会場前方のステージにスポットライトが当てられ、主催であるウィルバーさんがスピーチを始めた。

私はステージに立つウィルバーさんをぼんやりと見上げる。

彼が裏社会のキーマンだという実感が未だにしない。

すると、隣にいたおそ松さんが突然私の腰に手を回して体を密着させてきた。

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紫かぶら(プロフ) - 狐火@リリさん» ありがとうございます。ラストのオチはかなり早い段階で決めていたので、そう仰って頂き嬉しいです。夢主ちゃんは六つ子に振り回される運命なんだと思います。新連載も予定しておりますので、機会があればお付き合い下さいませ。本当にありがとうございました。 (2018年10月9日 1時) (レス) id: fdc73fc447 (このIDを非表示/違反報告)
狐火@リリ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!展開がどうなるんだろう?!と楽しみにしてました!!仕事が終わってもずっといる六つ子と夢主ちゃん...ほんわかが続きそうですねw素敵な作品ありがとうございました! (2018年10月8日 22時) (レス) id: f1c0b03c70 (このIDを非表示/違反報告)
狐火@リリ(プロフ) - 紫かぶらさん» いやいや、全然気にしませんよ?!無理しないで紫かぶらさんのペースでふぁいとです!急かす人なんていませんから!ちゃんと読みますよー!更新ファイトです! (2018年4月30日 1時) (レス) id: 7e4f6c9350 (このIDを非表示/違反報告)
紫かぶら(プロフ) - 狐火@リリさん» 長期間更新していなかったにも関わらずこんな優しいコメントありがとうございます。完結に向けて頑張りますので、また読んで頂けたら嬉しいです。 (2018年4月29日 23時) (レス) id: d7e8ff9b83 (このIDを非表示/違反報告)
狐火@リリ(プロフ) - お久しぶりの更新お疲れ様です!待ってました!展開がすごい気になります!こうしんがんばってくださいー! (2018年4月28日 21時) (レス) id: 7e4f6c9350 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫かぶら | 作成日時:2016年10月7日 1時

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