【一松】一松が冷たくしてくるから仕返しした結果[おそ松さん]

22話 ページ24

「……っ う」



溢れる涙は容赦なく出てくる




ポツン




「…」



雨だ



少し前に公園があったはず



私は足を早めた




公園のベンチに座りボーッと雨を眺める


「…いっちーのあんな大声初めて聞いたな」



優しかった頃の記憶がよみがえる






「…A」


「何？」



「これ、あげる。ブラウンに着けてあげて」



手に渡されたのは 小さな鈴だった



「…! ありがとう!!」


あの時の嬉しそうな私を見ていっちー笑ってたっけ



あの鈴…一回取れちゃったんだよな



「ただいまー …あれ？ブラウン？」



ある日帰ったらブラウン居なくて


窓みたら開けっぱなしで


すっごい焦って探しに行ったんだよなぁ…


それで道端でいっちーと偶然会って


「あ!一松君!!」


「…どうしたの？」


「ブラウン窓から逃げちゃって…どうしよ…私のせいで事故にあったら…っ」


そしたらいっちーが真剣な顔で震える私の手を握って


「大丈夫。俺も探す」



ずっと探してくれたっけ



「…どこ行っちゃったんだろ…」


そしたらチリンッて音が聞こえて

道路の真ん中にブラウンがいたんだよな



「!! ブラウンっ!!!」


私はその時焦ってて信号が赤なのに気づかなくて


「… A!!!」

いっちーが叫んで前を見たらトラックが来てて


チリンッ



気づいたらいっちーがブラウンを抱えてる私の腕を引っ張って 間一髪の所で助けてくれて


その時ブラウン鈴が取れちゃって


「…ごめんっ!!一松君大丈「そんなことよりAは大丈夫なの!?ケガしてない!?」


思えばあの時好きになったのかもしれない


「あ… 鈴取れちゃった」

「いいよ別に。Aが無事ならそれでいい」


そしたらブラウンが「みゃあ」って鳴いて


「…もちろんお前もな」



そういっていっちーブラウンの頭撫でてたっけ



そのあと私必死に鈴探して



「… ! あった!!」

ボロボロになって帰ったっけ




「… っう」


嫌だ


「やだよぉっ ぅ、 いっちーに嫌われたくないよぉ」


今まで溜め込んでたものが一気に出る



「うっうっ、 えぐっ うわぁぁああぁぁん 」



涙はどんどん出てくる







今降ってる雨の様に私はなき続けた

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