犬系女子と飼い主系男子【梵天】

逃げよう ページ39

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逃げよう。



そう思って、私しか知らない脱走ルートへと向かう。




幹部たちがいつもうざいくらい
可愛がってくれるからすっかり忘れてたけど、
ここは反社だった。



平気で裏切り者を殺すとこなんだ。



さっきだって、お兄さんが悪いことをしたとはいえ、
私のせいで殺されてしまった。



こんなとこにずっといたら、ダメだ。





壁の換気扇を外して狭い抜け穴を四つん這いで進み、
ようやく外に出る。



やった、これで脱出できる。




そう思ったのも束の間、






竜胆「ハイ、みっけ」






飛び上がって後ろを振り向くと、
竜胆が立っていた。




サーっと血の気が引く。




ななななんで？？


目を盗んで逃げてきたのに！！






『…………』






くるりと反対方向に逃げようとしたところで、
目の前の壁にぶつかる。



笑顔で腕を掴み上げる蘭ちゃんだった。






蘭「なになに、鬼ごっこ？」


『や、離して、！！』


蘭「あ、そうやって俺に逆らうの？お仕置きだなぁ」


竜胆「A、大人しく兄貴の言うこと聞いとけ」






後ろから抱きすくめられ、身動きが取れない。



挟まれた。もう終わりだ。







三途「ほんと手ェかかる犬だなテメェはよ〜〜。

また鎖に繋がれてぇか？」






恐怖で涙目の私の目の前に銃口を突きつけて、
瞳孔の開いた瞳で顔を覗き込んでくる三途。




ぶんぶん、首を振る。






三途「俺らから離れて
生きてけるわけねーだろうが？」


『……じゃあ、死ぬ』


三途「……あ？」


『あのお兄さんみたいに、私も殺せばいいじゃん』


三途「……その口、塞いじまうか」







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