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パーティー ページ12

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『ていうか、こんなにお洒落して
散歩ってどこに行くの?ねえはるち』


三途「うるせえ犬だなあ。

美味いもん食わせてやるから大人しくしてろよ」


『え!わかった!』






食べ物に釣られるなんて我ながら単純だと思う。



ウキウキしながら到着したのは、
夜の高級クラブ会場だった。



芸能人も多く参加するような
極秘のパーティーが開かれるらしく、

黒人のボディーガードがチラホラ見えたり、
刺青の入った見るからにカタギでない
スーツ姿のおじさんが入って行ったり。




何か散歩とか騙されてとんでもない場所に
来てしまったんじゃないかと青ざめる。




黒塗りの高級車から降りた我が幹部たちは
いつも通りの派手なスーツ姿なのに、

怖い人たちにも美しい人たちにも全く見劣りしない、
むしろ目立つばかりの雰囲気で周りを圧倒していた。


どう考えても場違いでしょ、私。




三途が助手席に回り込み、ドアを開ける。



重い足取りで出てきたのは万次郎だ。



ついさっきお仕置きされたばかりなので、
思わずびくりと身構える。



……まだ怒ってるかなあ。


散歩の時はいつも
万次郎の側を歩くことにしてるけど、
今日は隣に行ったらダメかな。



風になびくシルバーの後ろ髪を見つめながら、
しょんぼり落ち込んだ時。






万次郎「……A。お手」






万次郎が無表情で振り返り、
手のひらを差し出した。



考えるより先にその手に飛びつけば、
優しく握りしめてくれる。



にやける顔を止められない。


やっぱり万次郎が大好きなんだなあ、私。




手を繋いで歩く万次郎と私を囲むように、
背の高い三途、蘭、竜胆も並んで歩き出す。




煌びやかで、一度ハマったら抜け出せない
沼底を思わせる妖艶なパーティー会場へと、
足を踏み入れた。








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東卍京 - 梵天の作品はやっぱりいいですよね。 (10月31日 17時) (レス) @page35 id: cee3cd750d (このIDを非表示/違反報告)
清花。(プロフ) - シーチキンさん» ひいい!って叫びたくなりますよね(゚∀゚)笑 (2021年10月12日 11時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)
シーチキン(プロフ) - 最高すぎて!!!!蘭ちゃぁあーん!! (2021年10月11日 18時) (レス) @page43 id: 05900c9320 (このIDを非表示/違反報告)
清花。(プロフ) - YULA.さん» 初めまして!ゾクゾクしていただけて嬉しいです〜!!頑張ります!! (2021年10月10日 9時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)
清花。(プロフ) - あやさん» 嬉しいですすすす!!頑張ります!! (2021年10月10日 9時) (レス) id: cf6bd6deb7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:清花。 | 作成日時:2021年9月16日 18時

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