【文スト】転生したら最推しに依存された件［R］【太宰治】

第五話　自由奔放 ページ6

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何と云うか、治くんって本当に自由奔放だと思う。



何にも囚われないと云うか、自分の思うがままに生きていると云うか。


治くんは社会や規律にも囚われないから寧ろ感心すら抱く。でも其所がまた治くんの良い所と云うべきか。




それにしても、治くんは何時でも何処でも私に抱き着いているけれど、飽きないんだろうか。


しかも夏まで抱き着いてくるから正直暑苦しいと思ってしまう。


まあそんな所も可愛いんだけどね。



そんな治くんに構う為にも、私としてはこの目の前の仕事を終わらせなくてはならない。






「…無視かい？」



不満げな声を洩らした治くんは、私の頬をつついたり引っ張ったりしてくる。


とはいえ、私も暇な訳じゃないからずっと構っている訳にはいかない。




私がずっと無視して相手にしてくれない事に拗ねたのか、治くんは頬を膨らませた。


いや、治くんには悪いけど正直可愛い。




不満げに眉を寄せた治くんは、私の首筋にグリグリと頭を押し付けてくる。


地味に痛いものの、そんな子どもっぽい治くんが可愛くて私は根負けしたようにキーボードを叩く手を止めた。


そして体を治くんの方に向けると、そのまま優しく抱き締めてあげる。




「後で沢山構ってあげるから、今は我慢して？」



至極優しい声を出して宥めるように頭を撫でて上げる。


何だかこれではお母さんのようだ。何て思いながら笑みを溢す私を、治くんは強く抱き締めた。





「…じゃあ、キスしてくれたら善いよ」




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