【文スト】甘い日常の記憶

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本日貴方が捲った記憶の一頁 - 2024年5月15日

素敵な帽子の男前な彼との日常の一頁。



***



靄がかったような脳内とボンヤリとする意識。胸の辺りの熱い感覚は一向に収まる気配はなく、目の前にいる人物を見た。



橙色の明るい髪に鋭い光を宿す深い海色の瞳。吸い込まれそうな程に綺麗なその瞳を見ていると、自身の心まで取り込まれてしまう気分に陥る。


手に持ったグラスをまた喉に流し込むと、また熱い感覚が体内に広がって目眩がしてきそうだ。


ふと目の前に居た人物にグラスを取られる。ゆっくりと視線を向ければ、その人物、中也さんが眉間に皺を寄せて私を見ていた。





「飲みすぎだ。その辺にしとけ」


そう注意されて、意識もしっかりとしない夢見心地な気分のまま私は大人しく頷く。



あまり働かない脳内で先程までの出来事を思い出した。


一緒に飲みに行って盛り上がり、その場の勢いで中也さんの家に来た。


普段ならそんな事にはならないのだけれど、最近は色々と忙しくてストレスが溜まっていたせいか、いつもより飲んでしまった。


今更自分の家に帰る気力もない。


私とは違い酔いも冷めてきている中也さんは、ずっと私の悩み事や話を聞いてくれていた。



ふとその時、何となくその場の衝動で私は中也さんの髪を触った。



「は……っ、」



驚いている中也さんの髪を撫でながら、今度は逞しいその体つきを触ってみる。



自分がどれ程酔っているのかなんて、ボヤける意識でそんな事を考えるのは憚られる。


前から気になっていた腹筋をペタペタと触りながら、予想以上に筋肉のある体に感嘆な声を洩らした。



「矢っ張り中也さん、筋肉ありますね〜」


「っ…！…お前っ、どこ触って……おい…！」



焦った中也さんの声が聞こえるも、それは私の脳内には届いていない。


そのまま中也さんの体に抱き着いた私に、中也さんが息を呑んだのが分かった。


その瞬間視界が反転して、目の前に中也さんの顔が広がる。切羽詰まったその顔は、まるで獣のようだ。



「煽ったのはそっちだからな」



いつもより数段低い低温ボイスは妙に色っぽい。


押し倒されていると理解した時には既に遅く、中也さんの顔が徐々に近付いてくる。


それをボーッと見つめていた私の意識は、次の瞬間暗転した。どうやら酔いすぎて、体が眠気に耐えられなかったようだ。



***

中也「…有り得ねえ。普通彼処で寝るか？好きな奴に迫られて我慢とか…どんな拷問だよ」

森「…拗らせてるねえ。…評価、コメントを頼むよ」

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