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第六話 お強請り ページ7

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先程よりも柔らかいその声色は、機嫌を直したような穏やかなものだ。



けれどそれよりも、私はその言葉に驚きが隠せなかった。



と云っても、治くんとキスした事は沢山あった。でもキスをしたと云っても、全部治くんからだ。私からした事は一度もない。




因みに云えば、この世界での私のファーストキスは6歳の時である。相手は勿論治くんだ。





とは云え、治くんがキスを強請る事は初めての事だから矢張り嬉しいとも思う。


と云うよりただひたすらに可愛いの一言に尽きる。



内心悶えながら感情を荒ぶらせ、表情には一切出さず私は滑り込ませるように治くんの頬を両手で包み込んだ。


その秀麗な顔立ちに思わず見とれながらも、ゆっくりと顔を近づける。





「…えっ、ほ、本当にしてくれるの…?」




何故か言い出した本人が動揺し始めた。


その頬はほんのりと赤く染まっていて、確かな熱を持っている。


戸惑いながらも焦ったように目をぎゅっと瞑った治くんが、正直可愛い過ぎて悶え死にそうになったのは仕方ない。



そんな可愛い顔を堪能するように凝視しながら、私はゆっくりと治くんの頬にキスを落とした。






「……へっ?」



しばらくの沈黙の後、治くんは珍しく素っ頓狂な声を上げて間抜けな顔をする。


それに自然と笑みが溢れた。




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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - I am gotさん» コメントありがとうございます!神作だなんて…!!(泣)こんな作者の作品を好いて下さり本当に有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2019年7月21日 14時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
I am got(プロフ) - ヤバイ。神作。めっちゃ好きです!!続編楽しみにしてます!! (2019年7月21日 14時) (レス) id: dd6540e082 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - 結月さん» コメントありがとうございます!沢山妄想しちゃって下さい!(笑)更新頑張ります! (2019年7月18日 10時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 今日も今日とて妄想させて頂いてます!更新待ってます (2019年7月18日 10時) (レス) id: 013547788b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水瀬月鏡 x他1人 | 作成日時:2019年7月14日 16時

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