【文スト】転生したら最推しに依存された件［R］【太宰治】

第四十五話　暗闇の中で ページ46

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芥川くんに会いに行くと決めた所までは良いんだけれど、よく考えたら私芥川くんがどこに居るのか知らなかった。



そうなると探すしかないけれど、探すと云ってもポートマフィア内は凄く広い。


正直ポートマフィア内の地形は大体把握しているけど、芥川くんの居場所までは分からない。




どうしよう、と考え込んでいると、アニメや漫画で見たあの場所を思い出す。


それは治くんが芥川くんを特訓していた場所でもあり、旧双黒が四年振りの再会を果たした処だ。


可能性としてはあの場所に居る確率は高いだろう。





よし、と密かに気合いを入れ直した私は、芥川くんに会えるという高揚感を胸に建物内の地形を思い出して歩き始める。



ポートマフィア内の地形を思い出しながら歩いていれば、其処は意外にも早く辿り着く事が出来た。


そしてあの旧双黒が再会を果たした聖地でもあるあの場所は、一人のファンとしても気分が凄く上がるものだ。




思わず頬が緩むものの、本当に芥川くんが居た時に第一印象が悪くなるのは嫌だから改めて気を引き締める。


少し息を吸い込みゆっくりと吐き出す。それを何度か繰り返した後、私は控えめにゆっくりと扉を開けた。




暗闇に閉ざされた空間が、扉から洩れ出る僅かな光に当てられる。


それに反射して何かが動いた気がした。



逆行でよく見えず、思わず目を細める。少しずつ目が慣れてきて黒いシルエットが見えてきた。


私はドキドキと鳴る心臓を無理矢理抑え、緊張しながらも歩み寄る。






＿＿＿その刹那、私の横を何かが勢いよく通り過ぎた。


反射的に横に移動したものの、頬を掠めたせいで血が出てくる。とは云っても少量の血だ。



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