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第三話 甘えたがり ページ4

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「治くん、仕事は?」



抱き着いている彼と向き合い抱き締め返す。


自然な動作で彼の頭を優しく撫でながら聞けば、治くんは上機嫌に満面の笑みを浮かべて云った。





「其れは勿論、部下に遣らせたよ!」




正直其れは満面の笑みで云う事じゃない。



思わず苦笑いを溢しながらも、そんな所も可愛いと思ってしまうのだから私も大概なのだろう。


因みに云えば此れは日常茶飯事なので、治くんは常習犯だ。


次に私が取る行動を判っていてするのだから、狡猾と云うか何と云うか。





「其れじゃその部下さんが可哀想だよ。ほら、私も手伝ってあげるから一緒に遣ろ?」



そう言って執務室に促す私に、治くんは微塵も反省の色を見せない笑顔で大きく頷いた。




怒らない私も相当彼に甘過ぎるのだろうけれど、治くんも治くんで私に頼りっきりだ。


正直少し将来が心配になってくる所だが、遣る時は遣ると判っているので何も云うまい。



というか、先程からずっと抱き締められているせいで歩きづらい。




「…治くん、ちょっと離れて。歩きにくい」


「え〜、やだ」



抱き着かれたままでは歩きにくい、という意を込めて云ったものの、離れて貰うどころか余計強く抱き締められる。


けれど別に厭という訳ではなく正直云えば寧ろ嬉しいのだけれど、歩けないこの状態のままでは困るのは確かだ。




「…仕方無いなあ」



それを仕方無いという言葉で片付けてしまう私は、本当に彼には甘い。



とは云っても、ここまで甘いのは最推しと幼なじみという事があってだ。


つまりは治くん限定である。



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第四話 事務仕事→←第二話 幼なじみ



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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - I am gotさん» コメントありがとうございます!神作だなんて…!!(泣)こんな作者の作品を好いて下さり本当に有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2019年7月21日 14時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
I am got(プロフ) - ヤバイ。神作。めっちゃ好きです!!続編楽しみにしてます!! (2019年7月21日 14時) (レス) id: dd6540e082 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - 結月さん» コメントありがとうございます!沢山妄想しちゃって下さい!(笑)更新頑張ります! (2019年7月18日 10時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 今日も今日とて妄想させて頂いてます!更新待ってます (2019年7月18日 10時) (レス) id: 013547788b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水瀬月鏡 x他1人 | 作成日時:2019年7月14日 16時

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