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第十七話 誘惑の瞳 ページ18

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ずっと抱き締めている治くんを何とか引き離すと、私は治くんの手を取る。





「…少し肌寒いね」




そう言って緩く微笑んだ私に治くんは僅かに目を見開かせると、私の指の隙間に自身の指を通して世に云う恋人繋ぎというものをしてきた。



ぎゅっと握り締められた手から、温かな体温が伝わってくる。


細身でも矢っ張り治くんも男の子な訳で、治くんの手は滑らかで綺麗さを持ちながらも力強さがあって、今更だけど男の子だなあと染々と感じた。






「…A、」


「うん?」


「好きだよ、大好き」



私の目を見つめながらそう言った治くんの瞳は、とても愛しいものを見るように優しい。


とても甘美なその声にじんわりと心が温かくなっていくのを感じた。




「ふふっ、私も治くんが大好き」



満面の笑みでそう言った私を見つめる目が静かに細められて、治くんは足を止めると私と向き直る。


それを不思議に思っていれば、治くんは滑り込ませるように片手を私の頬に添えた。



そこまで来れば後々の展開が予想できて、私は目を瞑る。途端に降り注いだキスは優しく触れるような軽いものだ。


けれど、だんだんと貪るようにキスが激しくなる。それに苦しくなって呼吸を取り込もうと口を開ければ、治くんは舌を入れてきた。



何気に今までディープな方はした事がなかった為、驚いて肩を跳ねさせてしまう。





「んぅ…」



生理的に涙の膜が浮かんできた時、ゆっくりと唇は離された。



肩で息をしながら治くんを見上げていれば、治くんはやけに熱っぽい視線で私を見つめてくる。正直云って色気がヤバい。


直感的にこのままだとマズイと思った。






「……お、治くん!ほ、ほら、もう帰ろう?明日も仕事あるんだし!」



何とかこの雰囲気をどうにかしようと無理に明るく振る舞った私は、治くんの手を引っ張る。


あからさまに誤魔化した私の態度に、治くんは不満げに頬を膨らませた。



そんな所も大変可愛らしい。それと同時に恐ろしいと思った。


16歳で出す色気じゃないよアレ。




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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - I am gotさん» コメントありがとうございます!神作だなんて…!!(泣)こんな作者の作品を好いて下さり本当に有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2019年7月21日 14時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
I am got(プロフ) - ヤバイ。神作。めっちゃ好きです!!続編楽しみにしてます!! (2019年7月21日 14時) (レス) id: dd6540e082 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - 結月さん» コメントありがとうございます!沢山妄想しちゃって下さい!(笑)更新頑張ります! (2019年7月18日 10時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 今日も今日とて妄想させて頂いてます!更新待ってます (2019年7月18日 10時) (レス) id: 013547788b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水瀬月鏡 x他1人 | 作成日時:2019年7月14日 16時

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