【文スト】転生したら最推しに依存された件［R］【太宰治】

第十三話　一番の悩み ページ14

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脱力したようにテーブルに項垂れると、治くんは溜め息を吐くなり口を開く。





「…ねえ、二人には悩みとかあるの？」


「急にどうした太宰」


「治くんがそんな事聞くなんて珍しいね」




一拍置いてそう云った治くんに、私と作ちゃんは揃って驚いたように治くんを見つめる。



お酒の入ったグラスを指でつつく治くんを作ちゃんは何度も瞬きして見つめると、不意に少し考えるような素振りをした。


辺りを沈黙が包む中、作ちゃんは結局見つからなかったのか治くんに問いかける。




「太宰はあるのか？」


「あるよ、沢山。中でも一番困ってるのは、Aが可愛すぎることかな」


「そうか。太宰はAが大好きだしな」



やたら真剣な顔でそう云った治くんに、私は烏龍茶を吹き出しそうになった。



正直もっと暗い話かと思っていれば、まさか私の話題が出てきたものだから。



しかも作ちゃんも作ちゃんで返しが可笑しい。


そこはツッコむ所だと思うんだけれど、この二人は両方ボケに走っているから安吾さんのようなプロのツッコミ役が居ないと大変だ。


と云っても、恐らく安吾さんは今日は来ない。



何故分かるかと問われれば簡単な事で、最近ポートマフィア内の仕事量が全体的に増えているのだ。


あの苦労人の安吾さんの事だから、何徹もしている事だろう。




だだでさえ特務課の事で忙しいのに、本当に安吾さんは凄いと思う。


あれほどワーカーホリックになれる人はそう居ないだろう。


最早称賛の言葉しか出ない。



治くんも少しは見習って欲しいものだ。



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