仲良し家族*9 (ページ28)

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翔Side

:「櫻葉さん……あのっ…」

「あ、すみません。私情を挟んでしまって。
お話の続き、お聞かせ願えますでしょうか？」

まずは仕事に集中しなきゃね。
スタッフをはじめ、PTAの方々に頭を下げて席に着く。

すると、

:「お子さん…、大丈夫ですか…？
私達は構わないので、様子を見てきては…
ねぇ、皆さん。」

:「ええ。ご心配でしょうし。」

PTAの方々が、口を揃えて、
雅紀のところに行ってやれと言ってくださる。

でも。

「お気持ちは嬉しいのですが、大丈夫です。息子も分かってくれてるはずですから。すみません、」

仕事に私情は挟みたくない。
雅紀も、それは分かってくれてるから。
だから……、今回も俺のそばによって来なかったもんね。
俺も、あんな顔見たら直ぐに駆け寄って抱きしめてやりたくて仕方がなかった。

スタッフの方々にも頭を下げて、
続行するよう目伏せする。

スタッフの方々はね、
知らなかったから……
雅紀がこの学校に通ってることを。

だからだろう、
”どうして事前に教えてくれなかったんだ”
って顔してる。

でも、そんな顔には、
苦しそうな…、申し訳なさそうな気持ちが読み取れて…。

悪いのは全部俺なのに。

申し訳ない気持ちでいっぱいだった。