【マギ】便利屋少女と政務官。【ジャーファル】

迷惑 ページ13

Aside

只今、ジャーファルさんに宮中を案内してもらっている最中なのですが…


ジャ「足…疲れているのですか？」


A「はい…少しだけ…」


少し、歩きすぎてしまったみたい…。

足がジンジンしてる…


A「初めて見たときからこの宮殿は大きいと思ってたんですけど…予想以上でした…」



疲れてしまっている私に比べて、ジャーファルさんは涼しい顔をしている。


ジャ「…では、今日はここまでにしておきましょうか。」

ジャーファルさんが優しく微笑む。



A「しかし…っ、それではジャーファルさんのご迷惑に…



…っ？？」



そこまで言うとジャーファルさんが私の唇に自分の人差し指を押し当てた。



ジャ「…焦らずとも、すぐになれますよ。」




A「………………はい…」




私は少し不満げに頬を膨らませた。

…けど、ジャーファルさんは気付いていないようだ。


それもそうだ。



私は自分の顔を布で覆い隠しているから、表情なんてわかりっこない。






でも…






そういえばジャーファルさん、そのことについて何も聞いてこないな…




私はずっと本当の自分を隠して、人との関わりを避けてきた。



だから、いきなり自分の顔を晒す…なんてきっとできない。



だから、この顔を覆い隠してるこの布の存在はとても大切だし…必要だと思ってる。






…だけど、それじゃ駄目だと思う私もいる。




だって、生まれて初めて必要にしてくれる人達が現れたんだもん…




それに、相手はちゃんと心を開いて私を迎え入れてくれたんだから…私も心を開くべき…なんだよね…





そんないつまでたっても答えに至らないことを悶々と考えていると…






ジャ「…眉間にしわがよっていますよ。





そんなに、案内を中断されたことが嫌だったのですか？」







A「……っ！えぇと………そ、それもあります…。




だって、はやくここの生活に慣れないと、皆さんにも迷惑がかかりますし……それだけは、嫌ですから。」


ジャ「……………………迷惑…ですか。」


A「……？なにか言いましたか？ジャーファルさん」


ジャ「……いいえ、なんでもありませんよ。





そうだ、今日は会わせたい者達がいるんですよ。ついてきてください。」


A「は、はいっ！」



そう言って、私はジャーファルさんの後へつづいた。

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