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「決めた？」
少女はおさげを揺らしながらふるふると首を振った。
ぺたりと座り込む少女の前には、幼い手にはやや大きい冊子が開かれている。用事があるのは、色とりどりのランドセルが並んでいるうちの見開き1ページだけ。
「ぼくあおー」
「あなたはまた来年」
男の子は、不満げな顔をする。先生の短く切り揃えられた硬い爪は、彼のまろい頬をふにふにとつぶした。
「この中だったら好きなの選んでいいんだよ？」
「うん……」
好きなのと言われても、どれも同じくらいで困ってしまう。少女は改めてランドセルたちと向き合った。赤、違う赤、ピンク、茶色、青、黒、黒。こっちの赤と紺と水色はマルがないので選んではいけない。他のページのも。
「黒とかより、赤かピンクがいいんじゃない」
「うん」
「赤とピンクどっちが好き？」
少女はむん、と唇を閉じた。先ほどから自分を後ろから抱っこしている中学生に尋ねてみる。
「まいちゃん、どっちがいーい？」
「私は赤派かなぁ。こっちの濃い方の赤、似合うと思う」
じゃあこれ、と少女はあっさりそのランドセルを指差した。
「そうなの？ 後で他のが良かった〜とかならない？」
「ならない。これがいちばん好き」執筆状態：続編あり(連載中)
「決めた？」少女はおさげを揺らしながらふるふると首を振った。
ぺたりと座り込む少女の前には、幼い手にはやや大きい冊子が開かれている。用事があるのは、色とりどりのランドセルが並んでいるうちの見開き1ページだけ。
「ぼくあおー」
「あなたはまた来年」
男の子は、不満げな顔をする。先生の短く切り揃えられた硬い爪は、彼のまろい頬をふにふにとつぶした。
「この中だったら好きなの選んでいいんだよ？」
「うん……」
好きなのと言われても、どれも同じくらいで困ってしまう。少女は改めてランドセルたちと向き合った。赤、違う赤、ピンク、茶色、青、黒、黒。こっちの赤と紺と水色はマルがないので選んではいけない。他のページのも。
「黒とかより、赤かピンクがいいんじゃない」
「うん」
「赤とピンクどっちが好き？」
少女はむん、と唇を閉じた。先ほどから自分を後ろから抱っこしている中学生に尋ねてみる。
「まいちゃん、どっちがいーい？」
「私は赤派かなぁ。こっちの濃い方の赤、似合うと思う」
じゃあこれ、と少女はあっさりそのランドセルを指差した。
「そうなの？ 後で他のが良かった〜とかならない？」
「ならない。これがいちばん好き」執筆状態：続編あり(連載中)
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ノア@いきてます(プロフ) - この作品が凄く好きです 雰囲気にぴったりな言い回し、夢主ちゃんのセリフや行動、地の文の書き方、読んでてとても楽しいです ありがとうございます (3月12日 20時) (
レス) @page15 id: 4619807170 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - バレンタインとてもドキドキさせてもらいました！今後の展開が気になります！更新楽しみにしています♪ (7月7日 5時) (レス) @page10 id: 1dc705f50b (このIDを非表示/違反報告)
名無し67465号(プロフ) - とても好きです！！！続編待ってます！ (6月17日 21時) (レス) @page10 id: 4d7900bf24 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - めっちゃ面白くて大好きなシリーズです！流架くん好きなので絡み多くて嬉しいです。更新楽しみに待ってます！ (2023年4月6日 2時) (レス) id: aba3858250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽるん | 作成日時：2023年2月14日 2時
