�� 安堵感 ページ14
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暫く、八左ヱ門は周りを睨んでいた。周りに味方など一人も居ないとでも言うように。
「行こう、Aさん」
兵助の言葉に背中を押されるように、私は食堂から廊下へと足を踏み出した。
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外の空気がおいしい。
お腹が空いているのもあるけれど、あの食堂の空気から開放されたという安堵感でいっぱいだ。
でも、やっぱり八左ヱ門のことが心配。
『 どうせお前も雷蔵も、い組の二人だって、内心は信じていないんだろ』
さっきの八左ヱ門の言葉が、頭の中をぐるぐると回る。
内心は信じていない、ってやっぱり私のことだったり――いや、自意識過剰かな？
ドスッ
「うわぁっ!?」
「ぬわわぁぁっっ、ごごごごめんなさいぃ!!!!」
ぼーっとしていたら、二人が立ち止まったの気づかず背中にぶつかってしまった。
「――大丈夫？」
「い、いえ、あの、はい！ ごめんなさい……」
「そっか、よかったぁ」
兵助の黒いふわふわとした髪が揺れる。
歩いてきた先は、兵助がいつも豆腐を作っている豆腐小屋だった。
「そういえば、今更だけど自己紹介がまだだったね。俺は五年生の久々知兵助。そしてこっちが」
「尾浜勘右衛門。よろしく」
二人の名前なんてもう私の日常生活必須知識のようなものだけど――みんなの名前を知っていることはなんだかバレちゃいけないような気がして、わざと知らないフリを続けた。
完全な部外者である私が忍たまの名前を知っていたら、きっと何か悪巧みをしている曲者だと思われるに違いないからだ。
だから私は名前もキャラも制服の色も、教えられるまでは知らないフリを突き通すつもりでいる。
「俺、豆腐作りが好きなんだ。昼ごはん食べそこねただろう？ よかったら食べていってくれると嬉しいな」
久々知兵助の豆腐なんて想像の世界の話で、今まで何度も豆腐を買ってきては食べながら幸せを噛み締めていたのを思い出す。
けれども、久々知兵助が作った豆腐は、まさに今、目の前に存在している。
そもそも、手作りの豆腐なんて人生で初めて見るかもしれない。
「い、いいの!?」
「もちろん！ 準備するから、ちょっとだけ外で待ってて」
勘右衛門と兵助が小屋へ入っていく。私は入り口で、僅かな大豆の香りに心を踊らせていた。
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よしのや(プロフ) - No.0さん» コメントありがとうございます、頑張ります!!(*´ｪ`*)最近更新頻度が落ちてて申し訳ないです、気長にお待ちいただけると嬉しいです…！m(_ _)m (2019年5月6日 8時) (
レス) id: fe1483e79b (このIDを非表示/違反報告)
No.0 - 始めてのジャンルだ〜！読むのが楽しみです！更新がんばってください！応援してます。 (2019年5月2日 22時) (レス) id: 70509151e8 (このIDを非表示/違反報告)
よしのや(プロフ) - ごままぐろさん» わぁぁありがとうございます、すっごく励みになります!!!!（〃ω〃）ところどころギャグ路線に走ってみましたが、真面目とギャグの温度差が物凄いことになってしまいました……笑 (2019年3月13日 23時) (レス) id: 6e21aa2086 (このIDを非表示/違反報告)
ごままぐろ(プロフ) - 天女ものとは少し違って、面白くて好きです笑 (2019年3月13日 18時) (レス) id: 6c83279883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よしのや | 作成日時：2019年2月23日 17時
