肆拾壱話 ページ43
「うっ、うっ、Aちゃぁ〜〜ん!!♡目が覚めたんだね!!おれァ心配で心配で夜もおちおち眠れなかったんだぜ〜〜♡」
涙と鼻水を垂らしながら、器用にも吐いた煙草の煙すらもハートの形に燻らせてサンジはAに飛びついた。しかし彼女がひらりと躱したことで未遂に終わったが。
『眉毛くんにも心配をかけてしまったかな。
そうだ、私一味に入れてもらったから宜しく頼むよ』
「三人目の女神が仲間に…!?こりゃローマの三美神もその輝きに嫉妬しちまうぜ!?♡」
サンジはナミ、ロビン、Aと共にメリー号で生活している己の姿を(かなり都合よく)妄想して鼻血を吹き出した。
一体どんな妄想を脳内で繰り広げていたのか、気になるようだが知りたくはない。
「やかましいあほグル眉。とっとと飯作れ」
「あァ!?言われなくてもそうするに決まってんだろうがクソ緑!!…Aちゃん、今お身体に優しいスープでも作るからねェ〜♡」
オラついた表情をすぐさま蕩けたメロリンフェイスに切り替えて、サンジは調理場に引っ込んだ。
常々器用な男である。
サンジに次いで、袋を抱えて店主の男も奥へ引っ込んだのを見届けてからAは口を開いた。
『学者先生、牧師がこの島にいるのかい?』
「ええ。この島唯一の牧師で、店主さんの知り合いみたいよ。ついさっきまでここに居たわね」
『ふぅん…そうか』
Aはテーブル席に足を組んで腰掛けると、目を瞑り気怠そうに天を仰いだ。
随分と様になっているが、どこか意味ありげな様子に疑問が募る。
『道理で情報が回るのが早すぎるわけだ…』
「…何か問題があったかしら?」
『考えてもみ給えよー…こんな植民地然とした島に、教職者が
家の外に気安く出られないほどの強制的な統治。
五体満足で
ロビンだけは多少の熟慮の末納得したのか、ハッとした表情を浮かべた。
「おまえらだけで納得してねェで分かるように教えてくれよ」
「こんなデケェ島なら、牧師だろうと教会だろうとあるのが普通じゃねェのか?」
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まどろみマフィア(プロフ) - ぽ、ぽぽぽぽぽポートマフィア?!なんですと?!ギュフフィンフィン(ポトマが出てきて歓喜中の中也推し) (1月25日 0時) (レス) @page37 id: 2cd01fe314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠 | 作成日時:2022年11月7日 10時