キミと、アオハル。2【黄瀬涼太】

花火大会2 ページ17

『うわぁ…！』

右を見ても左を見ても屋台がたくさん。
たこ焼き、お好み焼き、わたあめにクレープと美味しそうなものばかりだ。
射的やヨーヨーすくいでは大人も子供も楽しんでいる。

黄｢やっぱ、お祭りも久しぶりなんスか？｣

『うん！』

モデルを始めてからお祭りなんて行く暇もなかったから、結構久しぶりだ。

黄｢じゃあ楽しもーね。｣

『そうだね！』

黄｢何食べたい？｣

『どーしようかなぁ。』


そんなことを話しながら2人で屋台をまわった。
金魚すくいをしたり、2人でわたあめを食べたり。
そうしていると、花火が上がる時間が近くなった。

『そろそろ花火見に行かない？』

黄｢もうそんな時間なんスかあ。｣

『うん。』

じゃあ行こう、花火が見える場所に移動しようとすると

子｢花火だ花火〜！！！｣

親｢こら、走らないの！｣


ドンッ


男の子が私の足にぶつかってしまった。


親｢すみません、うちの子が…。｣

『いいえ、大丈夫ですよ。
ボク、怪我してない？』

子｢うん、ごめんなさいお姉さん。｣

『いいんだよ。じゃあね、』

子｢あ、お姉さん、ビルに張ってあるポスターの人に似てる！！！｣

『え、』


『(メガネかけてるからバレるわけないのに…あれ？)』


自分の顔を触ると、確かにかけていたはずのメガネがない。

男の子がそう言ってから自然と人の視線が集まる。

｢うわ、あれ橙乃Aじゃね！？｣

｢うっそーラッキー！サイン貰ってこよーかな！｣

｢一緒に来てるのって黄瀬涼太君！？うそ、どゆこと！？｣


流石にやばい状況になってきた。

黄｢やばっ、行くっすよAっち！｣

『わっ…』



涼太君に手を引かれてひたすら人ごみの中を抜ける。

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