拾参頁 ページ13
「何だ、子供ですか」
震えている太宰達を見て、男は意外そうな声を出した。
「てっきり増援部隊かと。マフィアが人手不足なのか、あの蘭堂とかいう男に人望がないのか」
「す、すす、すみません!僕達はただの……近所の子供です!」
「っ……に、兄ちゃん…!こわ、い」
太宰が修治を庇うように前へ出る。
まるで、自分よりも弱く幼い弟を懸命に守ろうとする兄のように。
「大、丈夫。僕たち、蘭堂さんの家に配達に行く途中で、だから……」
「おいオッサン」
太宰の台詞を遮って、中也が嬉しそうな声を出した。
その瞬間修治は元のきょとんとした顔に戻り、何もなかったかのように雲を眺めはじめた。
「お互い時間を節約しようぜ。あんたが俺に一発撃つ。そしたら俺が反撃にあんたを隣町までぶっ飛ばす。ついでに残った襲撃者も全員ぶっ飛ばす。
それで襲撃はお開きだ。どうだ?」
「……ああ、もう。せっかく演技で騙して、情報を引き出そうと思ったのに……。これくらい兄さんみたいな人でも出来ることだよ脳筋君」
「ふぁあ…ん??治、俺ばかにされたか?いま」
蝶々を目で追いかけていた修治が眠そうにし乍ら云う。
「全然」
「そうか」
流石に気付くと思ったが、やはり修治は修治であった。
よくあれで演技なんて出来たな……。
__
99人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロト - よみさん» コメントありがとうございます。面白いと言っていただけてとても光栄です。続きが気になる作品だったなんて本当に嬉しい誉め言葉です。ありがとうございます! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
よみ - 受験頑張って下さいね。とても、面白くて、続きが気になる作品だと思っているので、早く二月になれ!っと祈りながら、更新お待ちしております。 (2020年1月6日 17時) (レス) id: 587f0ad974 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ロト | 作成日時:2019年8月1日 18時