影山が大好きな奥さんの話。【影山飛雄】【HQ】 (ページ17)

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影山side

A「へ～！凄い人いっぱいじゃん！」

先程の大人びた瞳とは裏腹に、Aは目をキラキラさせてアルバムをめくっていく。

結婚式の計画を立てている時も、結婚式当日も、Aは今よりももっときらきらした目で笑っていたのを思い出す。

影山「やっぱお前もそうゆうの憧れてんのか」

A「そりゃあね、だってよく言うでしょ？

人は人生の中で大勢の人に見てもらえるのは3度で、

出産後と結婚式とお葬式

この中で自分の記憶に残るのは結婚式だけじゃん？

だからやっぱり、憧れもあるけど、凄く大事な事なんだなって思うよ

…あ、このウエディングドレス可愛い。でも私の好きな系とはちょっと違うね、影山が選んだの？」

Aはアルバムの中で一番大きく写っている、集合写真の時にAが着ていたウエディングドレスを指さした。

影山「おう、Aが選んで欲しいって言ったから選んだ」

A「へえ、影山のくせにやるじゃん」

影山「A、そのドレス着てた時が一番笑顔だったぞ」

俺はそう言ってAの頭を撫でた

A「…なんか、普段の影山にはこんな事されないから、新鮮だね、」

Aは照れたようにふは、と笑って俺の手に自分の手を重ねた。

その眩しくて綺麗な笑顔に吸い込まれ、俺は無意識にAの唇に自分のそれを合わせた。

A「…未成年に手出しちゃったね、影山」

影山「俺からしたら、今のAも高校生のAも変わんねえから同じだ」

A「ふ、何それ、言い訳になってないよ？」

Aはそう言いながら愛おしそうな目で俺の手を握った。

影山「…そっちは今何月だ」

A「んーと、8月の終わりかな。

この世界はまだ6月でしょ？それがどうかした？｣

俺がAに2度目の告白をしたのは春高が終わってからの1月の終わりだった。

影山「＿＿＿A、もしかしてもう俺の事、」

A「ダメだよ、影山。それ以上聞かれたら私、きっと本当の事言っちゃうもん」

ねえ影山、最後にもう一回だけ、キスしてよ。

そこから先は覚えていないけど、目が覚めたら隣にはいつものAが眠っていた。

夢かと思ったけど、開かれたままのアルバムを見て、俺は再び目を閉じた。