秘密 ページ20
二口side
茂庭さんが部屋を出てから、たった数分。
つゆりが目を覚ました。
『…にろ?』
「…はよー。どうだ、よく寝れたか?」
かすかに頷くつゆり。
額に手を当てる。
…まだ熱いな。
「水飲むか?」
こくり、と頷くので口元にペットボトルをもっていく。
…ん?
「飲めないか?」
口に力がはいらない、みたいな感じなのか?
スプーンとかあればいいんだけど、あいにくないのが現状。
もう俺は、一つの方法しか思いつかない。
「つゆり、今からやる方法は、ちょっとびっくりするかもしれない。でも今だけ我慢して」
つゆりはきょとんとした顔で頷いた。
「じっとしてろよ」
口に水をふくむ。
つゆりも、俺が何をしようとしてるか見当がついたみたいで、少し驚いたような顔をする。
でも、俺はやめる気はない。
ごめん、つゆり。
今だけ、我慢して――――
つゆりのの上体を引き寄せる。
つゆりの体が、ビクッ、と震えた。
ごめんな、つゆり。
つゆりの口の中に、ゆっくりと水を流し込む。
全ての水をつゆりが飲んだことを確認し、俺は唇を離した。
「ごめんな、つゆり。もう寝ていいから、な?」
ここであったことは、俺たち二人だけの、秘密。
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作者名:tonight | 作成日時:2022年11月22日 20時