♡皆で内緒の話をしているんだ ページ33
エースside
『たっだいま〜!…って、あれ?』
仕事から帰ってきてみれば…誰も居ないじゃないか。なぁんだ、つまんないの。
絵からジャックの部屋に降りて廊下に出る。もう夕飯食べて部屋に居ると思ってたのに、よく見たらまだ夕方じゃないか。あ、ワンダーランドの時計ってそう言えば全部狂ってたんだった。
『(となると今からご飯かな?ラッキー!丁度お腹空いてたんだよね)』
この世界では体も人間に多少引っ張られるようで、空腹なんて今まで感じなかったのに此処だとすぐお腹減っちゃうようになった。おかげでついついお菓子をたくさん食べすぎちゃって、よく怒られたなぁ。
『そうだ!食堂に確かクッキーがあったはずだ!』
ジャックも居ないしこっそり食べちゃおう♪
足音を立てずにスキップしながら歩いて行く。意外とバレないんだよ?だって僕はワンダーランドの住人だから!
「とにかく、この話は本人にはしない方がいい」
『ん?』
Vの部屋の前を通った時、微かに声が聞こえた。あれ、マルフィもジョーも居る。それにジャックにアップルまで…あ、ダルメシアも!
『(皆揃って内緒話?)』
僕は全く知らないし…もしかして、僕に対してのドッキリ?そんなの聞くしか無いじゃないか!
ドアの隣の壁に身を寄せて聞き耳を立てる。すると小さく中の声が聞こえてきた。
「確かに、突然真実を語られても混乱するだけだろうね。記憶が無いなら尚更だ」
「お前の暗示、解けたりしねぇのか?」
「簡単には解けないけど、流石に絶対安全とは言えないかな。あくまでも僕の暗示は彼が僕の世界に慣れるようにする為のものだ。外部からの強いショックを受けたりでもしたら解ける可能性はある」
「つまり…人との接触か」
「うん。元々人間だった以上、人を見て記憶の蓋が開くかもしれない。だから僕はリクルートの時あまり離れたくなかったんだ」
……何の話だ?暗示とか、人間とか……一体何の…
……あれ?おかしいな、頭が痛いや…
「…暫く様子見の方が良いのかな…」
「ふむ…その方が良いだろう。彼のリクルーティングにはこの中の誰か一人以上着いていくこと。何かあったらジャック・ハートにすぐ言うこと。それを忘れずに。折角この世界に来て尚且つヴィランへと転生した素晴らしい人材だ。逃さないように。分かったね?」
……怖い。何でだ、でも怖い。聞いちゃいけないことを聞いてしまった気がする。
…早く部屋に戻ろう。バレたらただじゃ「あ、エース」
「何してるの?」
♡気にしない方がいい時もあるよね→←🐶だって寂しいじゃないか
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時