♡気にしない方がいい時もあるよね ページ34
エースside
『ジャ、ジャック…ッ』
部屋から出てきたジャックが僕にニコッと笑いかけてくる。どうしよう、聞いてたのがバレちゃった…っ
「こんな所でどうしたの?もしかして…」
『い、いやっ、僕は何も「食堂でクッキーをつまみ食いしようとしてたんだろ!」え…?』
クッキー…?
「む、居たのかエース」
「夕飯前の間食とは美しくないよ」
『…えっと、その、ごめんなさい…』
「あ?元気無ぇな、どうした」
…気づいてない?僕が話を立ち聞きしてたことに、皆気づいてないのか…?
『…何でもない!も〜、折角内緒で食べに行こうとしてたのにな〜!』
「やっぱり!駄目だよエース!そういう楽しそうなことは僕が居る時に一緒にやろう!」
「堂々と目の前で一緒に間食の約束取り付けんじゃねぇ!」
「これは夜食の茶会決定だね。アップル、また君の林檎のデザートを頼んでもいいかい?」
「任せ給え。ダルメシア用にホットミルクも追加で出そうか」
「ホットミルク!?飲みたい飲みたい!ミルクは大好きだぞ!」
Vの部屋の前で大騒ぎじゃないか。まぁでも、話が逸れたみたいで一安心だ。
「夕飯までまだ時間がある。少し部屋で寛いでいると良い、どうせ仕事帰りだろう?」
『うん、そうさせてもらうよ。ジャック、一緒にトランプタワーしよう』
「OK!そういう約束だったからね!じゃあ皆、また後で!」
「おー、またあとでな」
「お前は来なくてもいいぞチビハート」
「うっさいなぁクソ林檎!」
べーっと舌を出して挑発しながら、ジャックは僕の腕にしがみついて歩いて行く。僕も歩きながらクスリと笑っていると、不意にジャックが「ねぇ」と顔を寄せてきた。
『?何だい、ジャック』
「さっき、聞いてただろ。話」
『…!』
「気づいてないとでも思った?」
途端に心音が跳ね上がる。ジャックは目を細めて僕をじっと見てきたけど、クスリと笑って頭をワシャワシャ撫でられた。
『っ!何するんだよ!』
「っはは!最近ビビり過ぎだよエース。お前はちーっとも関係ない話さ!気にしなくて良い」
『でも皆で話してたら気になるじゃないか』
「それはごめんよ!ちょっと緊急で集められたから、エースに集合かけるの忘れちゃったんだ」
『えぇっ!?酷いよぉ!』
傷ついた!シクシク泣くと「ウソ泣きだろ〜」なんて笑ってくる。そうだよウソ泣きだよ!
「さ、ゆっくり休んでご飯沢山食べるぞー!」
『おー!』
気にしない。そうだ。あんな頭の痛くなること、気にしなくて良いんだ。
15人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時