散らばる星はその地で輝く -9-【短編集】

《リクエスト》女の子でも君が好き -2-【アルハイゼン】 ページ8

アルハイゼンside

その彼の表情は、見た事が無かった。

『アルハイゼン……っ』

潤んだ赤い瞳、高揚するふっくらとした頬。切なそうな表情を視野に入れた瞬間、ドクンっと大きく心音が鳴った。

「(これは……っ、中々に……っ)」

嗚呼、男心を擽るとはこういう事だろうか。
ゴクリと生唾を飲み込み、彼の顎を掬うように手を添える。そのままゆっくりと吸い込まれるように唇を重ねれば、俺と同じ長さにも関わらず柔らかく美しい銀糸を手に取るように後頭部に手を添えた。

「っ……」

彼の鼓動が伝わってくる。押し付けられる胸の柔らかさが徐々に欲を引き出していく。やはり俺も男の本能には逆らえないらしい。

いいや、彼だからこうも抑えが効かないのだろう。

「んっ……」
『……！？んんっ…！？』

ぐっと後頭部を引き寄せて深くキスをする。舌を絡め、唾液を混ぜるようにしっかりと、ゆっくり味わって口づけを交わしていく。
背中に回された彼の手が俺の服を引っ張り、ビクンと腕の中で身を震わせる。それすら抑え込むように長くキスをすれば、次第に彼の顔が蕩け始めた。

『んぁ……っ』
「…っ」

舌を引き抜けばトロ…と唾液の糸が引いてプツリと途切れる。そのまま彼を抱き上げると、ベッドへと彼の身を寝かせて覆い被さるように上に乗りかかった。

「君はその体が上手く機能するか試したいんだろう？」
『っ、あぁ……っ』
「なら早速試してみるとしようか」

一枚ずつ彼の服を脱がしていく。それと同時に俺も自身のズボンのベルトの金具を外し、熱を持ち膨らむ前を寛げた。

「生命の源である君の胎には何が宿るのか、俺も非常に興味がある。それに元に戻る手立ても無い今、この行為が鍵になる可能性も否定できないからな」

彼の両足に手をかければ、彼は『っぁ……』と小さく甘い声を漏らし、生娘のように潤んだ瞳で俺を見つめてくる。
嗚呼…その顔も、両手で口を押さえるその仕草も、俺を煽る要因でしかない。

「アルマ」
『な、んだ……ッ？』
「…怖いなら言ってくれ。無理強いはしたくない」

君が本当に嫌なら、深く追求する気は……

『っ、君は、したくないのか…？』

彼が少しだけ、期待と怯えが混じった赤い瞳を細めて、挑発的に微笑んだ。

『俺は、したいんだが』


「……っ、君ってやつは」

ならお望み通り、心ゆくまで君の肉体を暴いてやろうじゃないか…っ
彼の唇に噛みつくように、激しく深い口付けを贈った。

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