《リクエスト》愛らしい君の耳元に触れたら -3-【リオセスリ】 ページ37
リオセスリside
ふと思った事がある。ラヴィーネのような魔物には、人間のように体の隅々まで感覚があるのかと。
少し前の俺だったら考える事も無かっただろうが、ラヴィーネのように友好的な魔物と一緒に過ごしていたらふと思うようになっていた。
「ラヴィ、ちょっといいか」
水の上での取引内容を報告し終えたラヴィを引き止めれば、ラヴィーネはヌヴィレットさんの姿のままクルリと振り返った。
『何だ?リオ』
「昼休憩がてら少しお前で試したい事があってな。付き合ってくれないか?」
声をかければ疑いもせずにトコトコと俺の元に歩いてくる。"何だ?"と言いたげに首を傾げるラヴィを前に、俺は「とりあえず紅茶でもどうだい?」とソファに移動するよう促した。
『試したい事って何だ?』
「なに、大した事じゃないんだ」
トポトポと音を立てて注がれる紅茶を机に置き、ラヴィの好きなマドレーヌを用意する。ラヴィーネは更に不思議そうな顔をしながら、マドレーヌを一つ摘んで食べ始めた。
相変わらず一口が小さいな。ちょっとした所でも無性に可愛いと思っちまう辺り、本当に俺はコイツに惚れてるんだと思う。
「お前の体ってほぼ水みたいなもんだろ?だから人間みたいに全身にしっかりと感覚があるのかと気になってな」
自分の分の紅茶を手に隣に座る。ラヴィはマドレーヌを頬張りながら、『ん〜…』と少しだけ考え込んだ。
『一応は同じだ。痛覚も、五感もある。でも元の姿じゃ、感覚がぼやけてるような感じに、なるかもな』
「ほぉ?じゃあ今は人と同じって事か?」
『そうだな』
ふぅん……。成程なぁ……?
『でも、どうして突然そんな事__』
ラヴィの言葉を待たないうちに、俺はそっとラヴィの耳に手を伸ばした。
ヌヴィレットさんと同じ、人とは違った尖った耳。普段なら絶対に触れないのもあって、ちょっとした好奇心もありつつ優しく撫でるように耳に触れてみた。
「(…!柔らかい……)」
ふに、とした耳の感触が指先に伝わる。そのまま暫く触っていれば、ぐっと腕を掴まれた。
『っ……何、するんだ……っ』
赤い顔に潤んだ瞳。驚きと困惑、そして多少の照れと怒りの滲んだ表情に、ゾクリと欲が掻き立てられた。
「……試したい事があるって言ったろ?」
お前、耳弱いのか。成程なぁ……?
ならどこまで駄目なのか、試してみるのも楽しそうだ。
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ゆらぎ(プロフ) - いえいえ、全然オーケーです!!こちらこそ採用してくださりありがとうございます! (5月5日 1時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - ゆらぎさん» コメントありがとうございます!エヴァは私があまりよく知らない作品でして……申し訳ありません……。ですがシチュエーションはとても良いと思いましたので、そちらを採用させて頂きます!満足にリクエストに応えられず申し訳ありません! (5月4日 10時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - リクエスト受理してくれてありがとうございます!またリクエストでエヴァンゲリオンってできますか?エヴァに取り込まれた主人公組とパイロットの恋人組、みたいな、、?無理を承知ですがお願いします! (5月3日 19時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
orchid~オーキッド~ - ありがとうございます!よろしくお願いいたします! (5月1日 13時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - orchid~オーキッド~さん» リクエストありがとうございます!話数的に次回に回ると思いますが、書かせて頂きます! (5月1日 1時) (レス) @page50 id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2024年3月8日 21時