ようこそ、運命の人よ -5-【現パロ・フォンテーヌ】 ページ25
リオセスリside
彼に声をかけた瞬間、ソイツは全速力で元来た道を走り出した。
あの怯えた顔……流石に5人も"こっち側"に来てたらそりゃ勘付くか。
「参ったな……。鬼ごっこは得意じゃないんだが」
この世界に居られるのも精々5分が限界だろう。ヌヴィレットさんの同意も得て禁忌に近い権能を行使してもらったんだ、連れ帰れませんでしたと戻れば文字通り海の藻屑だろう。
…というわけで、失敗する訳にはいかないんだよな。
【はぁ…っ！はぁ……っ！】
息切れ。唾を飲む音。
【コスプレ…？いや、絶対違う…！雰囲気やばかった……っ！！】
困惑、焦燥、恐怖。
【どうしよ、家、いいや、学校っ？……そうだ、警察！交番近かった筈…！】
ほんの少しの期待と、希望。
「逃げるなって」
薄暗い路地裏。ぐんと腕を引っ張って後ろから抱き寄せれば、ラヴィーネはビクリと身を固くした。
「そう逃げられると追いかけたくなるだろ…？」
ほぉ？実際に会うと案外小さいんだな？そう言えば学校では背の事で虐められてたよな？なぁに、もう気にする事は無いさ。
【あ………ぁ………っ】
「看護師長もヌヴィレットさんもお前を待ってるんだ。だから」
彼のポケットから小さな端末を取り出して操作すれば、画面から溢れるのはフォンテーヌの水。
「帰るぞ、ラヴィ」
お前が居るべきなのは此処じゃなく、深い海の底にある鉄の要塞さ。
濁流に呑まれるように水に攫われたのも一瞬の間。次に見えたのはいつもの執務室だった。
書類の乗った机、来客用のソファにテーブル、そして＿＿
【な、何、これ……っ】
真っ黒な目をした俺と同じ姿のラヴィーネが立っていた。
【何で俺、リオセスリに……っ。……っ！だ、出してっ！元の世界に返し＿＿】
「ラヴィ」
目の前に立って頬を包むように両手を添える。じっと目を見つめれば、恐怖に震える漆黒の瞳が俺を捉えていた。
「お前は此処でずっと暮らしていくんだ。なに、向こうの世界の事なんてすぐに忘れる」
【や、嫌だっ！母さんを忘れるなんて】
「ラヴィー……？お前の最優先事項は…何だと思う？」
利口なお前なら、分かるだろ？ほら、言ってみな？
【そんなの……っ、………あ、れ……』
ほら、言ってみな。俺の可愛い"元"プレイヤーさん？
『……公爵の命令が、絶対』
そう言って擦り寄るラヴィに、俺は満足げに笑って見せた。
ようこそ、メロピデ要塞へ。歓迎するぜ？
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ゆらぎ(プロフ) - いえいえ、全然オーケーです！！こちらこそ採用してくださりありがとうございます！ (5月5日 1時) (
レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - ゆらぎさん» コメントありがとうございます！エヴァは私があまりよく知らない作品でして……申し訳ありません……。ですがシチュエーションはとても良いと思いましたので、そちらを採用させて頂きます！満足にリクエストに応えられず申し訳ありません！ (5月4日 10時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - リクエスト受理してくれてありがとうございます！またリクエストでエヴァンゲリオンってできますか？エヴァに取り込まれた主人公組とパイロットの恋人組、みたいな、、？無理を承知ですがお願いします！ (5月3日 19時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
orchid~オーキッド~ - ありがとうございます！よろしくお願いいたします！ (5月1日 13時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - orchid~オーキッド~さん» リクエストありがとうございます！話数的に次回に回ると思いますが、書かせて頂きます！ (5月1日 1時) (レス) @page50 id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2024年3月8日 21時
