ようこそ、運命の人よ -3-【現パロ・稲妻】 ページ21
トーマside
ずっと見てた。君がオレを迎え入れてから、ずっと。
キラキラした目でオレを見て、悪戦苦闘しながら強くしてくれて、強い武器や聖遺物をくれて、とても……嬉しかった。
オレ以外にも強い炎の神の目を持つ人達は居るだろう。でも君はオレを使い続けてくれた。それが何よりも嬉しくて、誇らしかった。
「ずっとこうして、一緒に旅をしたいなぁ」
いつしか、そう思うようになっていた。
そう考えるようになってから、ある日彼の存在を強く感じることが出来る、薄い膜が見えるようになった。
その膜の向こうはオレ達の世界とはまた別の世界に繋がっていて、彼はその膜の向こうからオレの事を見ていた。
確信した。この膜の向こうに行けば、彼に会えると。手段なんて全く分からない。けれど、オレなら行けるんじゃないかって思えた。
「フウマ」
旅人なんかじゃない。君が自分で付けた、この世界での君の名前。
「ずっと、分かってたよ。君の事。君がずっとオレと一緒に居てくれたこと」
稲妻の桜が舞い落ちる。和風の建物、雷の空気、その中に浮かぶ小さな膜に向かって手を伸ばす。
ねぇ、オレは君の事を知りたいんだ。だから、
「これからもずっと、オレと一緒に居てくれないか?」
指先が膜を突き抜ける。そうして伸ばした両手は、彼の頬に触れた。
っはは、驚いてる。それもそうか。………君は、温かいんだな。
君が何かを叫ぶ。離れようとする。どうして?怖くないよ。大丈夫さ。
ほら、オレが連れてってあげるから。ね?
抱き寄せるように、彼の身体をこちらへと引き寄せれば__。
パリンと、何かが割れる音がした。
『___にき、兄貴!』
ハッと我に返ると、目の前には緑色の彼が居た。
オレと同じなのにむっとした顔、同じ声、風の神の目を持つ………オレの弟。
『何ぼーっとしてるんだよ。買い物の途中だろ?』
………フウマ。彼の、名前。
「……あー……うん!そうだったね。ごめんごめん」
苦笑して頬を掻けば『変な兄貴だな』なんて悪態をついて彼が先を歩いていく。
そんな彼の背中を追うように歩けば、彼が此処に居る事をひしひしと実感できた。
ね、フウマ。これでオレ達、ずぅーっと………一緒に過ごせるね。
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ゆらぎ(プロフ) - いえいえ、全然オーケーです!!こちらこそ採用してくださりありがとうございます! (5月5日 1時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - ゆらぎさん» コメントありがとうございます!エヴァは私があまりよく知らない作品でして……申し訳ありません……。ですがシチュエーションはとても良いと思いましたので、そちらを採用させて頂きます!満足にリクエストに応えられず申し訳ありません! (5月4日 10時) (レス) id: 69e5a75295 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらぎ(プロフ) - リクエスト受理してくれてありがとうございます!またリクエストでエヴァンゲリオンってできますか?エヴァに取り込まれた主人公組とパイロットの恋人組、みたいな、、?無理を承知ですがお願いします! (5月3日 19時) (レス) id: 8914fbacd3 (このIDを非表示/違反報告)
orchid~オーキッド~ - ありがとうございます!よろしくお願いいたします! (5月1日 13時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - orchid~オーキッド~さん» リクエストありがとうございます!話数的に次回に回ると思いますが、書かせて頂きます! (5月1日 1時) (レス) @page50 id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2024年3月8日 21時