《リクエスト》胸の内の想いを咲かせて-4-【アルハイゼン＆カーヴェ】 ページ42
アルマside
思いつきだった。目に入ったそれを見たら、ふと思い浮かんだから実行した。理由はそれぐらいだ。
「わぁ……！」
「……これは…一体…？」
『店で売られていたのでね。日頃の感謝を込めて花束にしてもらったんだ。受け取って欲しい』
パティサラと悼霊花の大きな花束は、帰宅した二人の顔を隠すほど大きい。少しそっぽを向きながら腕を組んで話していると、不意にカーヴェが抱きついてきた。
「ありがとう！大切に部屋に飾るよ！こんな綺麗な悼霊花ならより大きくて美しい花瓶を用意しないとな！」
『そ、そうか……気に入ってくれたなら良かった…』
…些か恥ずかしいな。日頃の感謝の気持ちとして渡したはいいものの、面と向かって喜ばれると気恥ずかしくなる。
……逆に、じっと見つめたまま立ち尽くされるのも怖くて不安になるものだな。
『すまない…気に入らなかっただろうか？』
彼は先程からずっと花束を見たまま動かない。カーヴェに抱きつかれたまま問いかければ、アルハイゼンは「いいや」と首をゆっくりと横に振った。
「こういった贈り物を受け取るのは久し振りだったのでね。少し……驚いていた」
驚く……？君が……？
「アルハイゼン、彼が僕達の為に悩んで買ってきたんだぞ？ちゃんとお礼を言った方がいい」
「…そうだな。ありがとうアルマ」
『どういたしまして』
良かった、気に入らなかったわけでは無さそうだ。
カーヴェを撫でつつ彼の"花をどの花瓶に生けるか"という話題に耳を傾けていた時、アルハイゼンが数本のパティサラを抜き取って、残りの花を机に置くのが見えた。
「今日の夕食は俺が作ろう」
「え、いいのか？今日は僕の番だったろう？」
「気が変わったんだ。このパティサラは…流石に全て飾るわけにはいかないから、今宵の食材としていくつか使わせてもらおう」
…そう言えばパティサラは食用花でもあったな。失念していた。
アルハイゼンが抜き取ったパティサラを見て、そして、少しだけ微笑んだ。優しく、目を細めて。
「君の俺達への感謝の詰まった花を使った料理は、きっと美味しいものになるだろうから」
「君もそんな顔ができたんだな…」
「どういう意味だ」
『動悸と体温上昇が発生したのだが』
「アルマ、それは何度も言うがときめきと言うものだ」
「あのアルハイゼンの口からときめき、だと…！？」
「何がおかしいんだ」
やはり、この二人と居ると興味が尽きないな。
《リクエスト》胸の内の想いを咲かせて-5-【リオセスリ＆ヌヴィレット】→←《リクエスト》胸の内の想いを咲かせて-3-【トーマ＆神里綾人】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
orchid〜オーキッド〜 - 最高です！かなり無茶なリクエストしたのにも関わらずクオリティ高いものを用意して頂いてありがとうございます！これからの活動もすっごく楽しみにしています！ (12月11日 13時) (
レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - ヤァバァイもう天才ですかあなたは！！天才ですね！！めっちゃうるっと来ましたよ〜！泣 はぁ！今日も頑張れそうです！更新ありがとうございます！これからも頑張ってください！！ずっと応援してます！あ、体調には気をつけて。 (12月11日 6時) (レス) @page44 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
orchid〜オーキッド〜 - 九龍さん» ありがとうございます！もし何か分からないことあったら教えてください！ (12月10日 21時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
雷デット - ありがとうございます!! (12月10日 19時) (レス) id: d5e1296c27 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - 雷デットさん» リクエストありがとうございます！書かせて頂きます〜！ (12月10日 17時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：九龍 -くーろん- | 作成日時：2023年12月3日 22時
