《リクエスト》誰のものか理解しているのか?-1-【ディルック】 ページ2
フラッドside
ちょっとガイアに頼まれて、西風騎士団の仕事の手伝いをしただけだった。
彼が珍しくワイナリーにやってきて、"午前の間だけ代理を頼みたい"と本当に困った様子で言うものだから、僕はジンさんの許可を得て午前中だけ騎士団で彼の書類などの仕事を片付けてあげたんだ。
「いやぁ…意外と疲れるものなんだなぁ……」
頭の痛くなる案件ばかりが載っていた気がする…。リサさんの手も借りながら何とか出来たって感じだけど、一応ちゃんと仕事は終わらせた筈だ。
ガイアは今頃外で仕事中なのかな……。大変だなぁ彼も……。
「…あ」
騎士団の本部を出て考えながら歩いていたら、いつの間にか足はエンジェルズシェアの前へと辿り着いていた。
しまった……いつもの癖で来てしまった……。
「(まぁ…今はガイアの姿だし、ちょっとぐらい良いかな…)」
偶には客として店の雰囲気を味わってもいいだろう。それにガイアは昼も店に来たりするし、チャールズに言っておけば酒を勧められる事も無いだろう。
そう思って店に入ったのが、僕の運命を決めたのだった…。
「………」
「………」
現在、僕は未だにガイアの姿で酒場に居る。手にした葡萄ジュースを持ったまま、目の前のカウンターから注がれる視線が痛くて顔が上げられない。
「……な、なぁ、ディルック…?そんなに見つめられると、飲みにくいんだが……」
「気にしなくて良い」
気になるから言ってるのに……!
店に入って見えたのは赤い髪の彼の姿。そう言えば今日は朝からエンジェルズシェアに行くと言っていたのを思い出した時には既に手遅れで…
「"……何か飲むかい?"」
「"えっ、あ、じゃあおすすめで…"」
ついそんなやり取りをして、出された葡萄ジュースのグラスを持ったままこんな沈黙の時間をずっと過ごしていた。
「おい見ろ、ガイアさんが黙り込んでるぞ…」
「また派手に喧嘩でもしたのか…?」
「ディルック様のあの顔、相当怒ってるぞ……」
うぅ…他の客からの視線が痛い……!早く飲んで帰ろう……!
少し気持ちを落ち着かせてグラスに口を付けると、不意にディルックが僕の方に手を伸ばしてきた。
彼の手が髪に触れて、サラリと髪を耳にかけられる。そうしたら彼がカウンターから身を乗り出して…
「もう少しで休憩に入るから、裏口に来るように。良いね?フラッド」
物凄い低い声で、そう囁かれた。
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orchid〜オーキッド〜 - 最高です!かなり無茶なリクエストしたのにも関わらずクオリティ高いものを用意して頂いてありがとうございます!これからの活動もすっごく楽しみにしています! (12月11日 13時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - ヤァバァイもう天才ですかあなたは!!天才ですね!!めっちゃうるっと来ましたよ〜!泣 はぁ!今日も頑張れそうです!更新ありがとうございます!これからも頑張ってください!!ずっと応援してます!あ、体調には気をつけて。 (12月11日 6時) (レス) @page44 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)
orchid〜オーキッド〜 - 九龍さん» ありがとうございます!もし何か分からないことあったら教えてください! (12月10日 21時) (レス) id: 47c56abe73 (このIDを非表示/違反報告)
雷デット - ありがとうございます!! (12月10日 19時) (レス) id: d5e1296c27 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - 雷デットさん» リクエストありがとうございます!書かせて頂きます〜! (12月10日 17時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年12月3日 22時