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「おらぁー!!」



一斉に子供たち5人が織田作さんに襲いかかり
織田作さんは尻餅をつく。

オンボロアパートはガタガタと揺れる。

「どーだ!織田作!」

「まったく、…」


織田作さんは溜め息をつくと、
素早い動きで子供たちを捕らえ、

「お前たち、今日は連れがいてだな…」

「わー!変な髪型!!」


名前も教えてすらいない子供たちに
いきなりdisられた。
へ、変な髪型……って……。


「おいコラお前たち、
初対面の人にそれは無いだろう。

光、自己紹介してやってくれ。」

織田作さんはふぅと再度溜め息をついてセンラを見た。

「杠光です。よろしゅうね。」

出来るだけ好印象に、ニコリと笑う。

……でも昔、皆にセンラの作り笑い黒いって言われたことあるなぁ。

「光、コイツはコウスケ、

此方はカツミ

この子がユウ

そっちの子がシンジ

女の子はサクラだ。」

「光だな!
織田作を先に倒すのは俺達だからな!邪魔すんなよ!」

なんて、子供らしい。まぁ子供だけど…。
まるで昔の俺達、浦島坂田船だ。

クスリと笑みが溢れる。

懐かしい、
小学生の頃はよく坂田と浦島と

A先輩とで遊びに行って、

夜遅くまで遊びすぎて怒られたな。


「親父さんに迷惑かけすぎるんじゃないぞ。」

織田作さんが部屋の外に出たのでセンラも続く。

「あの、俺はこれからどうしたらええんです?

ほ、ほら、銃の扱い方とか、
右も左も分からなくて…。」

「ん?あぁそうだな、ここを引くと玉が撃てる。
扱いには気を付けろ、
心臓を撃てば普通の人間なら死んでしまう。」

「……あなたは人を殺したことがない
と聞いとります。
拳銃の扱いは、出来るんですよね。

どうして?」

センラが問うその質問に、彼は答えてくれなかった。

けれど、センラが望むなら、
拳銃の稽古をつけてくれると言った。

織田作さんの笑顔は
センラのものとは違って、

優しかった。


彼は言った。


「お前は先ず笑い方を練習しないとな。

じゃないとあいつらが怖がる。」


センラの全てを見透かしたような、
優しい笑顔で。

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空き地@ktnk - 初コメ失礼します。とても面白いです!更新されることを待っています!頑張ってください! (2020年9月24日 7時) (レス) id: da313b2c7d (このIDを非表示/違反報告)
リンレイ - 凄く面白いですね!更新楽しみにしてます! (2019年10月21日 7時) (レス) id: 551bea7f08 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - めっちゃ面白かったです。更新復帰楽しみにしてます。 (2018年1月28日 16時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年8月13日 3時

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