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3話 ページ4

「……それじゃぁ」

清水さんにお辞儀し、俺は校門を出た。
家までの距離は約500m。白猫が逃げないと良いんだけど。
そんな俺の心配は無駄のようで。俺の腕の中でゴロゴロと喉を鳴らしている。

「家に必要なものあったかなぁ……」

記憶を辿る。……無いな。
一応連絡しとこ。と携帯を手に取る。

A今日猫拾ったから、家連れて帰る
青根さんはぁ? バカなのお前!! 猫の家とか食べ物とかどうすんだよ!!

うげ。
面倒な人がいるなぁ。
ため息をつきつつ、腕の中の白猫に視線を落とす。

「……可愛いなぁ」

きっと今、俺の顔はでれでれになっているのだろう。
絶対飼ってやるからな。そう意味を込め、喉元を撫でてやる。

「……うなん? 」

どうしたの? とでも言いたげに、青の瞳が此方を向く。

「……可愛い……」

ぎゅ、と腕の中の温もりを抱き締め俺は帰路を急いだ。




「……やっと帰ってきたのかよ」
「……別に待っててなんて頼んでませんけど」
「あぁ? てめぇホント可愛くねぇな」
「にろだけにだから安心して」
「二口さんな」

家の前の電柱に持たれていたのは、近所の高校に通う青根さんとにろ。
2人とも制服姿だから、ずっと待っていてくれたのだろうか。

「……今日部活は? 」
「……休みだそうだ……」

青根さんがズイ,とビニール袋を差し出す。
中には猫のご飯が入っていた。

「ぁ、りがとうございます。……そうだ、何円ですか? 」

鞄から財布を取り出す。
と青根さんは首を横に振った。

「……買ったのは、二口だから」
「青根っ、言うなって言っただろっ」

……にろが、俺の為に。
別に感謝してやらないこともないけど。

「……何円? 」
「あ? 餓鬼が一丁前に気なんか使ってんじゃねぇよ」

そう言って頭をガシガシ撫でられる。
腕の中の白猫が小さく鳴いた。

「……俺はもう帰るから。じゃあな青根……後、A」
「……ん」

にろはそう言うと自転車に跨がり、あっという間に見えなくなってしまった。

「……二口は、素直じゃないだけで……」
「……知ってますよ。……有難う御座います、青根さん」

頭を下げる。
青根さんが家に入ったのを確認し、俺も家の中に入った。
殺風景な部屋。
白猫を放してやると、嬉しそうに中を歩き回った。

「……気に入ったかにゃ、また爪研ぎとかトイレ買ってくるにゃんね……」

取り敢えずティッシュの箱で簡易トイレを作っておく。
そこまでの作業を終え、俺は寝ることにした。

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紅雄 - めっちゃ良きです!!!これからもがんばってください! (2019年9月18日 18時) (レス) id: 64fc749647 (このIDを非表示/違反報告)
卯月葵(プロフ) - 面白いです!これからも更新頑張って下さい! (2019年6月25日 17時) (レス) id: 3411144c18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無音響 | 作成日時:2019年6月14日 20時

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