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21話 ページ23

Aside

最近、お兄ちゃんの様子がおかしい。

不機嫌な時が多い。其れも、太宰さんといる時のような怒っているという感じではなく、むっすりしているというか…、何か考えている様な…。

治療中に来た時に限って、機嫌が悪い時が多い。黒服の人が怯えている。
如何かしたのと聞いても、何でもねぇと答えられてしまう。
私が何かしちゃったのかな…?

…本当は薄々気づいていた。でも、あくまで、私は本で読んだだけだから確証がある訳じゃない。

人は恋をした時にモヤモヤして、悩む。
でも、私はその感情を知っている。私が兄に向けている感情だ。だからこそ、認めたく無かったのかもしれない。
いずれ受け入れなくてはいけないのは分かっている。

お兄ちゃんは結構、顔に出やすい方だ。
具体的にどんな事を考えてるのか分かるという程ではないが、表情が変わりやすい。

私は基本、医務室から出ないので、お兄ちゃんがどんな人と普段いるのか、話しているのか、全く知らない。

女性で知っているのはエリスちゃんとお姉ちゃんくらいだ。

ま、真逆、お姉ちゃんのことが…?お姉ちゃん美人で大人びてて、おしとやかだもんね…。
ぁ、そうと決まったわけじゃないんだ。はぁ、こうなるからあまり考えたくなかったんだ。

「は… さん…」
ー?

「中原さん?」

ビクッ
目の前に人がいた。
「あの、治療お願いできますか?」
怪我をしている人を連れてきた女性が私に声をかけていた。

「ぁ、すいません。すぐに!」
完全に頭の中に入り込んでいた。

そう云えば珍しく、女性だ。一見、髪の毛は短めで、男っぽいようだが、カッコイイ系の美人という感じだ。

治療が済み、女性は軽く頭を下げ、部屋を出ようとした。しかし、女性がドアをかける前に先にドアが開いた。

お兄ちゃんだ。

「「な、中原さん!お疲れ様です!!」」
女性2人は深く頭を下げた。
「おう、お疲れ」

お兄ちゃんは、じっとその人の顔を見て何かホッと、したような表情を浮かべた。

その直後、女性は部屋を出ていった。女性の表情はよく見えなかった。

何故、お兄ちゃんは、そんな表情を…。好きだから?駄目だ。先刻、あんなことを考えてしまった所為か、もう、そうとしか思えなくなってくる。
今日はもう、考えるのをやめよう。

その後は特に何事も無かったようにお兄ちゃんと過ごした。

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雪見だいふく - あの、多分ねぇさんじゃなくていいあねさんです (2018年7月23日 10時) (レス) id: 45f0691588 (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - 文スト大好きおじさん(笑)さん» 一様、はじめが黒の時代編なので与謝野先生と出会ってないっという設定何ですよ〜() (2017年8月1日 10時) (レス) id: 46346c34a6 (このIDを非表示/違反報告)
文スト大好きおじさん(笑) - 与謝野さんがいるから治る!と、思いました!でも、太宰が気づかないとは (2017年6月3日 13時) (レス) id: 69007943fd (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - 千さん» 有難うございます!!太宰さんも頑張ります!!次も(?)ワクワク出来るような作品が作れるよう頑張ります!! (2017年5月4日 23時) (レス) id: 805bfff9a4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - medaemonさん» 有難うございます!!本当に更新遅れて申し訳ないです。此れからはそんなことのないように…が、頑張ります。太宰さんのお話も頑張らせて頂きますm(*_ _)m (2017年5月4日 22時) (レス) id: 805bfff9a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼也 x他1人 | 作成日時:2017年4月20日 8時

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