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それから一月ほど経ったころ。
私は信じられない光景を目にしてしまった。
ユリが藤ヶ谷くんではない人といちゃつきながらホテルから出てきたのだ。
固まった私と目が合うと。
先に行ってて、とその男性から離れると、ユリは私のところに来た。
「…見られちゃった」
「藤ヶ谷くんとうまくいってないの？」
「ううん。いってる」
「じゃあ何で」
「……完璧すぎるの」
「え？」
「太輔は優しいしかっこいいし完璧な彼氏なの。だから私も完璧な彼女でいなくちゃって。たまにそれが苦しくなるんだよね」
「…だからって」
「軽蔑する？最低なのはわかってる。
太輔と別れるつもりは全然ないし」
もう行くね、って背を向けたユリに。
私は、なんでよ、って叫びたかった。
なんでそんなことするの。
私ならしないのに。
絶対に。
藤ヶ谷くんしか見ないのに。
そのまま、のろのろ駅まで歩いてたら、歩道橋の上でカップルとすれ違った。
「A？」
聞き覚えのあるその声。
「……健永」
隣にはお嬢様ぽい、きれいに髪をカールした白いワンピースが良く似合ってる女の子。
「健永くん、誰？」
「あー、えっと」
健永らしい。
思わず声をかけてしまったけど、元カノだなんて言いにくいよね。
「ただの高校の同級生です」
私がそう言って笑うと。
健永もほっとしたように笑う。
「そ、そうそう。腐れ縁て言うか。な？」
早く会話を切り上げて、この場を立ち去ろうとしたけど。
「え！じゃあ今からご飯一緒にどうですか？」
無邪気に声をかけてくる、お嬢様。
元カレの今カノとご飯なんて行くわけない。
「あ、ちょっと先約が、あって」
無理です、って言おうとしたら。
「A」
振り返ると、そこには藤ヶ谷くんがいた。
え？！
何で？！
しかも今、名前……
「遅いから迎えに来たよ」
助けようとしてくれてるんだ、って気づく。
「待たせてごめんね、太輔。あ、健永、じゃあ。ばいばい」
そう言って、藤ヶ谷くんのところに走って行く。
藤ヶ谷くんは、健永とお嬢様ににっこり笑って会釈までしてくれた。
そのまま駅まで歩いて、息をはく。
「……ごめんね。ありがとう」
「全然。俺が勝手にしたことだし」
「助かった、よ」
また私の顔をじいって見ると。
「Aちゃんの方が。俺はいいと思うけど」
真剣な声でそんなことを言う。
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ニイナ(プロフ) - あやかさん» こんな後味のあまりよろしくない話まで読んでくれたの😂この先どこまでも落ちてほしいです(願望)コメントはいつもらっても嬉しいです、ありがとうです♪ (2021年9月24日 20時) (
レス) id: 9453ebaee9 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 北山さんのお話、禁断ですがこの先が気になる〜(//∇//)(コメント連投ですいません) (2021年9月24日 12時) (レス) @page22 id: d1d73bb006 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - 深雪さん» 深雪さんがこのシリーズ好きだって言ってくださって本当に嬉しかったです！深雪さんは誰担さんなのかしら、またいつか教えてくださいね♪後日談！書くつもりじゃなくて好き勝手終わらせてしまったけど、話数余ってるし機会があれば書いてみようかなー (2021年7月9日 17時) (レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
ニイナ(プロフ) - りーちゃんさん» りーちゃんさん♪だらだら書いてたのにどのお話も読んでくださってありがとうございました！ハッピーエンドじゃない終わり方を考えるのがけっこう好きみたいです★りーちゃんさんがどんな妄想をしてくれたのかめっちゃ聞きたいです( ´艸｀)♪ (2021年7月9日 17時) (レス) id: 53a8b8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
深雪(プロフ) - このシリーズすごく好きでした。この後どうなったのか妄想を楽しみつつ、後日談も読んでみたいような。 (2021年7月9日 0時) (レス) id: a8c1d7b9de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニイナ
| 作成日時：2021年6月6日 20時
