検索窓
今日:4 hit、昨日:5 hit、合計:36,141 hit

59 ページ16

『ジュリーちゃん?怪我は無いな?変なことされてないな?』

男が去ってすぐに、キバナはジュリーに安否を問いかける。

『ぇえ‥大丈夫。ちょっとしつこく迫られて、抑え込まれてただけだから平気よ。‥助けてくれてありがとう。』


彼女はそう言い、どこか無理したような笑みを浮かべる。
そして、頭の中では先程の『弱みを知っている』と語る男の声がリフレインしていた。

ジュリーとしては、非常に不味い展開であった。
あの場に居合わせた以上、キバナにも思いっきり聞かれてしまった。

問い詰められれば、到底言い逃れなど出来そうにも無い。

ジュリーは、内心怯えていた。
自らの過去がバレて仕舞えば、彼に軽蔑されてしまわないかと。

そして軽蔑した彼が、メディアに全て話してしまわないかと。
そうなって仕舞えば、アタシはきっと世間から干されるだろう。


今まで築いた地位も、友人も、そして何より、このキバナに向けた淡い恋心も何もかも失ってしまいそうだ。


アタシが悪い方向へと、想像を巡らせていると、不意に頭に大きな手が降りてきた。

『ジュリーちゃん?過去に何があったかしらねぇけどさ、大丈夫だ。
そりゃ、正直愛しい愛しいジュリーちゃんに、何があったのかは気になるぜ?
けど俺様、無理に聞き出す趣味はねぇからよ。 話したく無いなら、さっきのは聞かなかった事にしといてやるぞ?』

キバナはジュリーの頭を優しく撫でる。
するとどんどん泣き出しそうになるジュリーの顔。


『そんなに泣きそうな顔すんなよ?』
 

『‥別にそんな顔してないわ。』


ジュリーは、自分の顔を愛用の黒コートのファーで隠す。
顔を隠しても、頭を撫でる彼の手は止まらなかった。

『大丈夫だ、何があってもこの最強のキバナさまが、守ってやるからよ。』

『‥ダンデに全戦全敗のくせによく言うわ。』


ジュリーは、顔を隠していたコートから目元だけ出して、キバナに嫌味を言う。

『おいおい!そこは素直に甘える所だろうが!‥まぁ、それぐらい、嫌味かましてくる方がいつものジュリーちゃんらしいけどな。』

彼はヘラリと笑って、もう一度ジュリーの頭を撫でるとその手を離した。

『さ、大丈夫そうなら俺様の家で呑もうぜ? ‥呑んでヤなこと全部忘れちまえ。』

アタシは小さくうなづき、彼の後ろをついて行った。

60→←58



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (64 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
245人がお気に入り
設定タグ:ポケモン剣盾 , キバナ , ヤミラミ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

宝ヶ峯ハニー(プロフ) - 松野かほさん» わっ‥勿体ないお言葉‥!更新頑張っていきます! (2020年1月3日 22時) (レス) id: 491f9a70e1 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - はっ、あっ、えっ……好きですぅ……更新待ってます (2020年1月1日 21時) (レス) id: 845a75d25b (このIDを非表示/違反報告)
かっちゃん(プロフ) - 宝ヶ峯ハニーさん» 壁|ョ・ω・`o)ガンバッテッ♪ (2019年12月31日 22時) (レス) id: 17dcb00d4a (このIDを非表示/違反報告)
宝ヶ峯ハニー(プロフ) - かっちゃんさん» コメントありがとうございます。正直、自分の趣味に全振りした夢主で書いているので、皆様の反応が気になっていたので、そう言って頂けると嬉しいです!これからも更新頑張りますので、どうぞ宜しくお願いします! (2019年12月30日 0時) (レス) id: 491f9a70e1 (このIDを非表示/違反報告)
かっちゃん(プロフ) - 毎回、毎回、ドキドキしながら見させてもらってます!!こーゆー主人公ちゃんもいいな…次の更新も楽しみにしてますよ!!! (2019年12月29日 18時) (レス) id: 17dcb00d4a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:宝ヶ峯ハニー | 作成日時:2019年12月25日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。