ガーネットを貴方へ贈る -2 carat-

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『ジュリーさん。お疲れ様！‥この後、ご予定は？何もないなら、これから一緒にディナーでもどうかな？』

降りた途端、出口で今日、担当していたカメラマンが詰め寄ってきた。


『ごめんなさい。先約があるので失礼します。』

先ほどキバナと宅飲みすると約束したばかりなので、目の前にいる彼の誘いを断る。
そして横を通ろうとすると、突然腕を掴まれた。

『まぁまぁ、そう言わないで、ご一緒しようよ。俺実は、今日の為に夜景の綺麗なレストランを予約してたんだよ。‥勿論、君の為にね？その用事が仕事なら俺の名前通せば日程変えてもらえるし、プライベートなら断ればいいじゃないか。』

彼はしつこくアタシに迫ってくる。
そういえば、この男、業界では名を知らぬほどは居ないと言われる程に名のある大物カメラマンだった。
実際にも、ジムチャレンジの開会式の撮影にも携わっていたそうだ。

彼の言う通り、アタシの先約が本当に仕事なら多少の融通を通してもらえそうだ。

『ごめんなさい。ずっと前から約束していた大切な用事なのでお答えする事は出来ません。‥なので離していただけます？』

アタシは断りを入れ、開放してもらえるように交渉する。
と言うか、人の予定を自分の私欲の為に無理矢理改変しようとする、横暴さに、アタシは嫌気がさし、少しだけ眉間にシワが寄る。

『‥いいからおいで』

男は強引にアタシの腕を引く。
その力は強すぎて、到底叶いそうにもない。

‥どうしましょう。この状況。

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