＊ ページ42
『とある日の夕方、Tちゃんはバイトに行く為に電車に乗り込むと、何やら見た事ある男性が同じ車両に乗っていました。彼女はすぐ気付いたのです。毎朝彼女を触る変態だと。慌てて彼氏にメッセージを送り、助けを求めました。』
話の内容がちょっとあれだから彼らはまだつっこんでこない。でも、怖い話いつ来んの？という空気だけはヒシヒシと伝わって来てた。
『バイト先の最寄り駅に着いた時、そのままトイレに逃げ込もうとしたのが運の尽きでした。彼女は男子トイレに連れ込まれ、咄嗟に彼氏に電話をかけました。必死の抵抗と彼氏の助けで酷い目に合わず済んだ彼女は彼氏にとてつもなく感謝をしました。』
シーンと静まり返るリビング。
ト｢...それで？｣
『ここまでがTちゃんの表向きのお話でした。しかし、この話には彼女の知らない裏のお話がありました。彼女の身体を触るド変態のおじさん。この男はTちゃんの彼氏にお金を払って、彼女の情報を買っていました。』
カンタくんは私の腕を咄嗟に掴んだ。ゆっくり視線を合わせると彼の顔色はとても悪い。
カ｢...A｣
『Tちゃんはそれを知らず、毎朝辛かったねと寄り添ってくれる彼氏に感謝しました。大人になれば分かることです。そんなことされてる彼女が居るなら毎朝一緒に電車に乗ってあげればいいじゃないかと。ただし、彼女は男なんてみんなクズだと諦めていたのです。彼氏が寄り添ってくれるだけで十分だと思っていました。』
ト｢A...それ、｣
『ええ、Tちゃんはつまりチーちゃん、私です。』
カ｢いつ、分かったの...？｣
『さっき。咲が教えてくれた。私はまんまと騙され彼に毎朝ありがとうと感謝した。元凶は紛れもなくそいつなのに。トイレに連れ込まれそうになったあの日、消毒と称して彼は私を家に連れ込みました。私が信じた男は性根が腐ってた。一体いくら私の身体で稼いだんだろうね？』
カ｢A...｣
『っ、カンタくんごめん...私、綺麗じゃない...』
別に泣くつもりなんて無かったし、もう吹っ切れてるもんだと思ってた。なのに彼の顔を見るとボロボロ涙が溢れてくるんだ。
カ｢大丈夫。もう大丈夫だから。｣
『最悪...あんな男を信じてたなんて...私、信じて、身体許しちゃった...ごめんなさい...』
カ｢大丈夫だよ。Aは綺麗だから。｣
私を抱き締めてそう何度も伝えてくれるカンタくん。酷く暗くて辛気臭い嫌な空間だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 428人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴあ(プロフ) - 海月さん» 小説ならではの必殺技は時間がいじれることです (2019年11月25日 8時) (
レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - もうなっちがこんなに日本語を喋れることに感動してるんだけどこないだまで「こーん」って言ってたのに〜 (2019年11月22日 15時) (レス) id: b5ee4ab4b9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - 千花さん» かしこまりました。フッ軽ディズニーにチーとシルクさん、モトキさんですね。書かせて頂きます。 (2019年11月22日 10時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - ぴあさん» Fischer'sのシルクさんとモトキさんがいいです！ (2019年11月21日 22時) (レス) id: 3f06c5551a (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - 千花さん» リクエストありがとうございます。他に合流するYouTuberで希望はございますか？お返事お待ちしております (2019年11月21日 17時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴあ
| 作成日時：2019年10月11日 21時
