じゅう ページ10
…×…
「あ、うらたん…気が付きました?」
「センラに坂田に、まーしぃ…?って、ここ…?」
「浦田さん、覚えてないん?浦田さん、自分でマンションから飛び降りたんよ」
「は…?」
「生きてたんが奇跡やって…お医者さんが言うてた」
俺が寝転んでいるのは、病室のベッド。
沢山の管がつながれていて、全く起き上がれない状態だ。
「まーしぃ、どういう事…?Aは…?」
「…いい加減しっかりしぃや。浦田さん、Aは死んだんやよ?」
「は…?何言ってんだよ?ついさっきまで、Aは…!!」
Aが死んでた?
じゃあ、今まで俺が関わってきたAは、一体誰だって言うんだよ??
「半年前に、自サツしたんやよ。やから、今まで見てたAは全部、幻や」
「じゃあ、お前らにはAは見えてなかったって事かよ…?」
「そうやよ、浦さん。でも、浦田さん幸せそうやったから、言い出せへんくてっ…」
「今まで皆、A先輩の話したら、寂しそうにしてませんでした?うらたんだけが見えてるんやって、そんなに先輩の事好きなんやって、思うてました…でも、そのせいでうらたん自サツしようとしたんやね…その手首の傷だって、俺らがはよ言うてあげたら…」
「俺は…信じたくない」
溢れてくる涙を隠すように、俺は寝返りを打った。
本当は…、ずっと気づいてたのかもしれない。でも、今は認めたくなんか、なかった。
「…まあ、急には受け入れられへんやろ」
「そうやね…」
まーしぃの残念そうな声と、坂田の涙ぐむ声。
…こいつらも、我慢ばっかしてきたんだろうな。
口の中で謝ると、少しだけ、Aのいない世界が輝いて見えた。
「さぁて、ちょっと志麻君、ええですかね?」
「ん?どうしたん?」
・
・
「…ホンマに自サツやったらええねんけどねぇ」
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もでらーと。(プロフ) - りずんさん» なんか志麻さんすごいキャラにしちゃってますよねww賢いといえば賢いんですが……センラさんもセンラで怖かったりしますよねw (2019年10月20日 21時) (レス) id: 036013db22 (このIDを非表示/違反報告)
りずん - もでらーと。さん» いえ、もでらーとさんの語彙力すごいですよ!ありがとうございます。やはりそうだったんですね!志麻さんのキャラがさらに怖いですwしかも自サツに見立てちゃうあたり…恐ろしいですねええ。何回読んでもやっぱりセンラさんの最後の言葉で鳥肌ですよもう! (2019年10月13日 13時) (レス) id: c90cb5de02 (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - りずんさん» 結論から言うと望んでいなかった …… という設定です。夢主ちゃんは普通に「たすけて」ほしいと言ったけれど、それを志麻さんが別の意味に捉えた、ということです。 …… 語彙力なくてすみません ;; (2019年10月13日 7時) (レス) id: 036013db22 (このIDを非表示/違反報告)
りずん - 質問させてください!…結果的にはそうなっていたわけなのですが、夢主は自分の死を望んでいたのですか?浦田さんも望んでいたわけではいないのに自サツに見立てられていたので、夢主もただ相談しただけなのに…って感じなのかなってちょっと思いました。教えて下さい! (2019年10月13日 0時) (レス) id: db95910853 (このIDを非表示/違反報告)
りずん - もでらーと。さん» 感動というか、怖かったのかな?謎に少し泣いていました…これからももでらーとさんの作品楽しみにしてます!! (2019年10月12日 22時) (レス) id: 46ac113f67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もでらーと。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/mafusakacrew/
作成日時:2019年3月28日 17時