【テニプリ】こっち向いてほい Ⅱ (ページ5)

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初耳ページ5

財前くんの後を追いかけ、部室の中に入る。

部室で改まってなんの話があるんやろ？

「なぁマネージャー」

財前くんが側にあったパイプ椅子に腰かけながら話を進める。

「最近おかしいなって思った事言うてもろてええ？」

「…は？」

突然言われた事はあまりにも脈拍のない話でうまく理解できなかった。

「せやからおかしい事あらへん？例えば今日の朝の事とかあるやろ」

朝。

私の内履きの中に画びょうが入っていたことの事を言ってるんやろか。

「あ、あれは…」

あれは…なんや？

確かにおかしい事やった。画びょうが靴の中に入っているなんて。

「やっぱりあれ、おかしい事…なんやろか？」

「十分おかしいやろ。」

「せ、せやな。で、でもそれだけや！他にはなんもあらへんで！」

おかしい事。

それを聞かれて思い浮かぶのは朝の出来事だけ。

「なんで今日ジャージやないんですか。」

「忘れてもうたんや。」

「へー、そうなんや。」

まるで興味がないような返事をし、財前くんはパイプ椅子から立ち上がる。

そして『財前』と書かれた自分のロッカーを開け、なにやら黒いビニール袋を持ち出す。

「なんやと思います、これ」

「え、なんやろ？」

財前くんはビニールの口を開ける。

中から出てきたのは、

「……え、それ、」

胸の所に自分の名前の刺繍を見つける。

紛れもなく私のジャージだった。

「これ、白石部長が見つけたんや。

もうすぐで捨てられる所だったみたいやで。」

「え…ど、どういうことなん？」

「……はぁ、ほんま面倒な事押し付ける部長で腹立つわぁ」

財前くんがめんどくさそうにため息を吐く。

なんでジャージが…

確かに朝きちんとカバンに入れた気がした。

でも昼休みに確認したら無くなってて…だから本当は入れるの忘れてたのかと思ってた…。

それが捨てられる所だった？部長が見つけた？

もう、わけわかんないよ…。

「アンタ、めっちゃ面倒な奴に目ぇつけられとるって事や」

「？？」

「せやから、嫌がらせや嫌がらせ。
しかも本人は手を汚さんで他人を使って実行するタチの悪い方法や」

い、嫌がらせ！？

うち、嫌がらせ受けとったん！！？