【テニプリ】こっち向いてほい Ⅱ (ページ4)

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おかしいページ4

部活の時間がやってきた。

私はそわそわしながらも球出しをする。

…やっぱり制服は動きづらい…。

「制服でやるくらいなら休んでもええんやで？」

「そうよォ～汚れたら大変やろ？」

ユウジ先輩と小春先輩にそう声をかけられたが、

「大丈夫です！」

と答え、私はボールが入ったかごをコートの側へと運ぶ。

――コツン

ボールが転がって来て足先に当たる。

私はそれを拾い、転がって来た方向を見ると、謙也くんがいた。

「…あ、す、すまん。投げてええで」

「あ、うん。」

ぽいっと謙也くんに向かってボールを投げると、謙也くんはそのボールをラケットで受け取る。

…様子がおかしい。

体育の時間が終わって、ジャージを謙也くんに返そうとした時もおかしかった。

『おおきに！謙也くんのおかげで順位上がったで！』

『そーなん？そら良かったわぁ！……あ、…じゃ、じゃあ明日からは忘れるんやないで』

『え、謙也くん？』

ほな、と一言残し謙也くんはさっさと教室に戻った。

…お昼休みはいつも通りだったのに。

「それにしても蔵りんがお休みやなんて珍しいやないの～

イケメンがおらんくて悲しいわぁ、なぁ財前クン」

「浮気か小春ぅ！死なすど！」

そう、今日は白石部長が部活を休んだ。

直接聞いたわけじゃなく、財前くんが伝言として伝えてくれた。

「…ほんま、珍しい」

部長が部活を休むなんて、私がマネージャーになってから初めてみた。

謙也くんもこんなだし、一体どうしたんだろう。

「アンタ、ちょっと話あるんやけど」

くいっと制服の袖を引っ張られる。

「どないしたん、財前くん。」

引っ張ったのは財前くん。

なにやら面倒なものを見たような目で私を見ている。

「…ここじゃ言えん話や。」

ぐいぐいと袖を引っ張られる。

ついて来いって事やろか？

「わ、分かったわ。引っ張ると痛いから離してや」

そう言うと財前くんは手をパッと離す。

「痛いんやったら痛いって言ってくれへんと分からんわ」

それだけ言うと振り返らずにずんずんと歩いて行ってしまう。

…や、やっぱり待ってはくれへんのやね！