【テニプリ】こっち向いてほい Ⅱ (ページ2)

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白石side ページ2

「…なんで売り切れなんや。」

校内に設置されている自動販売機の前で俺は立ち尽くす。

最近気に入って飲んでいたジュースが売り切れとる。

ここに無いっちゅーことは、残りは一つ。

体育館わきにある自動販売機にもこの飲みモンは売っとった。

「そうと決まれば急ぐで！」

俺は財布を片手に体育館側まで走った。

―――――――

「この時間って人おらへんのや」

無事ジュースを買う事が出来、辺りを見回す。

体育館側には人がおらず、静かだ。

昼休みは体育館って誰も来ぉへんかな。

ええ穴場見つけたかもしれへんなぁ。

そう思いながら、ジュースを片手に教室へ戻ろうとすると。

――カサッ

微かだが、後ろで物音がした。

人がおったんかな、と少し振り返ってみる。

「……。」

男子生徒が黒いビニール袋をゴミ箱に捨てていた。

それも小さいサイズではない。

「なぁ、学校のゴミ箱は家庭内で出たゴミを捨ててええ場所やないで？」

「っ！！」

男は肩をびくりと震えさせ、恐る恐るこちらを向く。

「い、いやこれは学校で出たゴミやで？先生に頼まれたんや」

明らかに男の目は泳いでいた。

「…俺、美化委員なんよ。最近分別せぇへん人が増えて困ってるんや。

…中身確認ええやろか？」

ほんまは保健委員やけど。

この袋の中…なんや嫌な予感がする。

「分別するような物は入ってへんから！」

「そう言って前も燃えるゴミに缶が入っとたんや。

まぁ、確認するだけや。」

俺はゴミの蓋を開け、先ほどの黒いビニール袋を取り出す。

「これやな？一体先生は何を捨てろって頼んだんや」

ぶつぶつと呟きながら袋を開ける。

出てきたのは見覚えのあるものだった。

「……これ、ほんまに先生に捨てろ言われたん？」

「ひっ……！！」

「どうなん？」

「す、すんません…！！」

「謝れって言うてないうやろ。」

「…ぜ、全部話します。せやから……！！」