鍾愛 23 ページ24
"横田忠弘"
異能力名【魔笛】
___おのれの敵と認識せる時、魔物召喚し敵を惨殺する異能。尚、触発型に非ず___
『此方こそですわ。横田様の創立30周年パーティーに組織代表として参加出来ること…光栄な限りです』
彼の異能を首領直々に預かった書類から一字一句完璧にインプットした。
そして私は手本のように上品な微笑みを向ける。
「…ほう。よかったら一緒に飲まないか?」
『ええ。勿論ですわ』
此処から仕掛けて手早く済ませよう。
_______
少し酒を飲み、一曲ダンスの相手をし、酔ってしまったと胸に倒れ込むと案の定部屋へ誘われた。腰に手を回されて私は彼の方に寄りかかるようにして廊下を歩く。此処までで何も異常はない。
『パーティーはまだ途中なのに…ごめんなさい』
「良いんだよ。今日は君に会う事だけを楽しみにしていたからね」
『横田様…』
とろりと熱い目で見つめると彼は微笑んだ。
静かなホテルの廊下に二人分の足音が響く。昇降機を乗って着いたのはこのホテルで一番良い部屋だと云う、横田の部屋だった。
スイートルームの広い部屋の中央にあるキングサイズのベッドに寝かされる。
横田がスーツを脱いでハンガーにかけている時に熱いですね、と火照った体を冷ますようにパタパタと身体を仰ぐ。横田はニヤリと口角を上げた。
寝台に一歩近づく。そしてもう一歩。まだだ。私はするりとドレスをめくるようにしてホルスターからこっそり拳銃を抜き出す。
彼がシーツを握って跨った瞬間の事。
『ねぇ、横田様_______』
異能力【姿ありけり】
「なッ…!」
黒髪で、血のように赤い唇の女に魅せる。
そうして一瞬怯んだ所をすかさず発砲。こんな近距離で打ったのだ。失敗する訳ない。
しかし何故だろう。嫌な予感がした。
次の瞬間何かが襲ってきた避けると先ほどまで私が寝ていた場所には銃弾が貫通していた。
「おや、ポートマフィア準幹部殿。調査不足も甚だしいね」
私が発砲したはずの弾はどこにもない。彼は無傷だった。これは、どういう事なのだ。
「…君の三文芝居に付き合うのももう終わりだ」
その瞬間、寝台に仕掛けられていた機械が私の四肢を拘束し寝台に縛り付けられる。
ぐっと力を込めても非力故に全くびくともしない。
「暴れても無駄だよ。却説、毒入り兎をひっ捕らえたところで私は今から予言をしようではないか」
____二十四時間後、君は必ず死ぬ_______
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あい - ??? (1月29日 23時) (レス) id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 更新中でしょうか?ワクワクです (1月29日 20時) (レス) @page43 id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - これ太宰さんどうなっちゃうんでしょうか……あと文才ご凄くありますね! (1月22日 11時) (レス) @page31 id: 68fda9e290 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - こういう系あまり読み続けられないんですがこれは一気に読めちゃいました…!文章能力すごい高いですね…尊敬…更新待ってます!頑張ってください! (8月26日 15時) (レス) id: efb8355445 (このIDを非表示/違反報告)
ライム - こういう物語って大体中也ポジの人は振られちゃうので、この展開メッチャ好きです!私が中也推しなのもあるかもですけど、wとにかく更新楽しみにしてます! (2023年3月25日 3時) (レス) @page42 id: e7904a37c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2020年1月25日 21時