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鍾愛 10 ページ11

結局珈琲を飲み終えてさっさと職場まで戻り21時まで仕事をした。

実質帰宅できたのは22時半で、上層フロアの夜使われない部屋などの鍵閉め消灯の月番をしていた。と云うか、本来今月の当番は私では無いのに準幹部の中で最弱だからと押し付けられた。

帰ってお風呂を沸かしながら業務連絡の返信をしているとその中に"太宰治(武装探偵社社員)"と云う文字を見つけて即座にメールを開く。


【先程は御免ね。来週、楽しみにしているよ】


…普段の太宰さんだ。


直感だけど私はそう感じ、ソファに寝そべりながらなんて返事しようかと文字を打っては消しを繰り返していた。

どうしても、文章だと仕事用の敬語が染み付いてしまって怒っているように見える。


【大丈夫ですよ〜!!私も太宰さんに会うの楽しみです(^^)/】


『……』


(これは…何というか、勘違いしていると思われるかも…)


"はぁ?食事に誘っただけで変な期待をしないで呉れ給えよ"


此方に軽蔑の眼差しを向ける太宰さん(黒の時代ver.)が頭に浮かび、これは駄目だと身震いする。


(こ、こう云う時は樋口ちゃんに…!)


慌てて電話をかけようとして連絡先を開くが、樋口ちゃんは生憎仕事中であったことを思い出して辞める。


銀ちゃんも同様に黒蜥蜴で仕事しているし、紅葉姐さんにこんな事で連絡するのは恐れ多すぎるし西野さ…


(否、あの人こそとんでもない爆弾発言を投下してくるから駄目!)


頭の中で危険信号が鳴る。西野さん、一段大人の様に見えらが偶に童心に帰るとあの無表情さの奥に何を考えているか分からない時があるから絶対駄目。


(…ネットで検索しよう)


上司 プライベート メール 返信方法
 

色んなワードで検索をかけても答えは一択。

普段通りの返事をしろ、と。


【お疲れ様です。先程の件、了解しました。来週はよろしくお願い致します。】



やっぱり堅い。そう思いながらもどうにでもなれ、と返信した。
とっくのとうにお風呂は沸いていて、帰宅してからかなり時間が経っていた。真逆、メールの返信一つでこんなに悩むなんて思わなかった。



『好きだなぁ…』



誰もいないし、誰かに聞かせるわけでもないけど私はクッションに顔を埋めて部屋でポツリと呟いた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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あい - ??? (1月29日 23時) (レス) id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 更新中でしょうか?ワクワクです (1月29日 20時) (レス) @page43 id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - これ太宰さんどうなっちゃうんでしょうか……あと文才ご凄くありますね! (1月22日 11時) (レス) @page31 id: 68fda9e290 (このIDを非表示/違反報告)
- こういう系あまり読み続けられないんですがこれは一気に読めちゃいました…!文章能力すごい高いですね…尊敬…更新待ってます!頑張ってください! (8月26日 15時) (レス) id: efb8355445 (このIDを非表示/違反報告)
ライム - こういう物語って大体中也ポジの人は振られちゃうので、この展開メッチャ好きです!私が中也推しなのもあるかもですけど、wとにかく更新楽しみにしてます! (2023年3月25日 3時) (レス) @page42 id: e7904a37c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜雪 | 作成日時:2020年1月25日 21時

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