愛吐 38 ページ47
太宰さんは何をやっているのだと急かす様な目線を送ろうとして先ほどまで彼がいた場所を見たがいなかった。
中也さんの方に視線を戻すと、中也さんの前に青文字の羅列が浮かんだ。
その瞬間、中也さんの手の先にできていた暗黒空間は消滅した。
「敵は消滅した。もう休め中也」
目に光が戻る。私は帽子を握り締めて中也さんの元へ駆け寄った。
「この…糞太宰…終わったら直ぐ…止めろっつうの」
「もう少し早く止められたけど面白くて見てた」
矢っ張り、彼にしてはサポートが遅いと思ったら。
内心溜息をついた。
「手前を信用して汚辱を使ったんだよ…」
「…よくやったよ。相棒」
「…ちゃんと俺を拠点まで送り届けろよ」
『任せてください』
中也さんの瞳はそのまま閉じられた。凄い、座ったまま寝てる、と流石の体幹だなと感心する。
歩いてきたジョン・スタインベックの顔は驚きに満ちていた。
「信じられない…あのラヴクラフトが…君達は一体」
「悪い奴の敵さ」
太宰さんは不適に笑う。改めて、双黒のお二人がどれだけ凄い人物かを思い知らされた。私はそんなお二人の後輩である事を凄まじく光栄に思った。
________
芥川が、白鯨に潜入した。
Aはと云うと馴染みのあるパンツスーツに腕を通し、赤いリップをつける。その姿、表情はすっかり成熟した女性だ。
彼女の目の前に聳える建物は、政府機関___異能特務課の本部ビル。Aは少しも怯まず、堂々と凛とした佇まいで歩いていく。
太宰は坂口経由で特務課に顔がきく。森の命令を間接して太宰に召集を受けたAは特例中の特例として特務課内部に入る許可を得た。
もちろん、案内役の特務課の人間も彼女の素性は伏せられている。組織の上層部のみが知っていた。
そんな経緯があり、現在は太宰の後ろに立ち太宰と繋がる通信音声を聞く。
「やあ鏡花ちゃん聞こえるかい?太宰だ」
______Aが命じられた仕事は、泉鏡花の探偵社入社試験合格の為の説得だった_____
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桜雪(プロフ) - りかまるさん» コメントありがとうございます。応援してくださる方がいて本当に感謝してもしきれません。拙い物語ですがこれからもよろしくお願いします、! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - のら猫さん» 10分、、それはすごい、、!コメントありがとうございます!自分のペースで頑張ります! (2019年4月13日 12時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - びあんさん» コメントありがとうございます。やっぱり小説を書くのってとても労力のいることだと思います。びあん様も同じ作者の身として無理のない程度に頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - sonataさん» ありがとうございます。sonata様の作品とても素敵でした、、!大好きだなんて言葉を頂けてとても嬉しいです。お互い頑張りましょう! (2019年4月13日 11時) (レス) id: c10e018f98 (このIDを非表示/違反報告)
りかまる(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫です。無理なく、執筆して頂けたらと思います。応援しています! (2019年3月24日 22時) (レス) id: dbac4f4de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪 | 作成日時:2018年12月29日 21時