世界で1番優しい人は。 ページ42
早人君が帰った後。
仗助がついて来てほしいとこがある、と言った。
そして向かったのは国見峠霊園。
仗助は途中で花屋に立ち寄り大量の花束を買ってきたけど…
このためなのかな…
「ここは俺のじぃちゃん、虹村形兆…重ちー、辻 彩さんに、川尻浩作たちが眠ってんだよ…」
『え、その人たち…みんな吉良吉影に殺されたの…?』
「いや、俺のじぃちゃんと形兆は別の敵スタンド使いに殺された…」
仗助は鼻の先が赤く染まっている。
それは寒くてそうなっているのか、哀しみからきているのか…
よくわからなかった。
仗助が線香を付ける。
そして綺麗な美しい色とりどりの花々を墓の近くに飾った。
私は仗助のそばへ来てかがむ。
『ねぇ…仗助。その人たちの話、聞かせて…?』
そう言うと仗助はその人たちのことを丁寧に語った。
仗助のおじいちゃんは、この街を守る優秀な警官だったこと。
虹村形兆は弟の億泰君を守っていたこと。また、億泰たちの父親の存在。
重ちーとの戦い、最後に残したボタン。辻 彩と吉良吉影。
息子と妻を残して殺された川尻 造作…
全て語った時、仗助は涙を流した。
「俺は…守れなかった…じぃちゃんも、この街の人も…あいつからっ!」
仗助の青く深い目から、透明な涙がポツポツとおちる。
「この街は…深い傷を負った…あいつのせいで…あいつも…今、地獄で俺のことを笑っているんじゃねぇか、って考えると…
怒りが…止まらねぇ…」
仗助が拳を地面にぶつける。
私は仗助のそんな姿を見たことが無かった。
いつも男らしい仗助が泣いているなんて驚きを隠せない。
『仗助っ!』
私は仗助の地面を殴っている腕を止める。
『貴方のそのクレイジーダイヤモンドはっ!世界で1番優しいスタンドなの。スタンドは、本体を表す…貴方は、世界で1番優しい人なんだよっ!』
そして仗助の肩に手を乗せて、涙で光る目を見ながら一つずつ丁寧に言った。
『もしこの街に貴方がいなかったら…この街は絶対に無くなってるよ。この街を守る人が居ないからっ!』
そう言い終わると仗助の悔しみもおさまってきた。
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-ポン酢→(プロフ) - あんころもちさん» ありがとうございます!とっても励みになりますー!!これからもよろしくお願いします〜!! (2018年5月8日 18時) (レス) id: 21daf65d6d (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください! (2018年5月7日 7時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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