LOVE&PEACE ページ33
そして皆も眠りにつくころ。
紀乃は髪の毛がひろがっちゃった、と言って洗面台へ行く。
別に何もひろがってないし、ツヤツヤの黒髪からはいい匂いがするけどそこは女子なんだろう。
俺もこのリーゼントのままじゃ眠れないから、紀乃の後をついて行った。
洗面台へ着くと、紀乃が鼻歌を歌っていた。
『ん〜♪んん〜♪』
ドライヤーで髪の毛を乾かしながら、鏡の前の自分と睨めっこしている紀乃。
なんか、ちょっぴり悪戯をしたくなった。
「紀乃、なに歌ってんだよ?」
洗面台にあたかも今来たみたいに自然に入る。
『うわっ!ちょ、聞いてたのっ!?』
紀乃は驚いた衝撃で、ドライヤーを洗面台に落としてしまった。
俺は少しニヤっと笑って、鏡を見ながら髪の毛をとかした。
「随分嬉しそうだったけどォ?仗助くん、ばっちり見ちゃったモンね〜」
『ん〜あぁ、このことはもう忘れて〜!』
真っ赤な顔で必死に頼んでくる紀乃。俺の方が背が高いから自然に上目遣いになる。
グ、グレートッ!
俺は照れながらも、髪の毛を真っ直ぐにとかす。
『え、ちょっと待って…貴方、仗助??』
「ちょ、あんま見ねぇでほしいッスよォ〜恥ずかしいっつーのッ!」
まぁいつもリーゼントなんだから、今の髪型だと俺ってわかんねぇよな…
紀乃が、俺から目線をそらして言う。
『えっとさ、何ていうか、あの…えーと…こんなこと言っていいのかわかんないけど…』
「ン?」
俺は鏡ごしで紀乃を横目で見る。
『…私は、いつもの仗助も好きだけど…その髪型も…似合ってると思うよ。』
ーーードギュンッッー!!
俺の顔が真っ赤に染まっていくのが鏡でわかる。
え?いつもの仗助も好きだけど、今の俺も好きって…
ゔわぁぁぁ!!
心の中で俺が暴走してる…
でも、待て。冷静に…
「こ、紀乃…ッ…照れるじゃねぇかよ…さ、さんきゅ。」
え?こ、こんな感じで良かったのかな…「さんきゅ。」って…返事おかしくなかったか…?
紀乃も照れてるようで話が途絶えてしまい、沈黙が続く。
『わ、私、先に部屋に戻ってるよ。』
「お、おう。」
紀乃がドアへと向かう。
その時。
ーーズルッ
紀乃がバスマットに滑ってこっちに倒れてくる。
ドスッー
俺は足をとられて、あっけなく倒れてしまう。
そして目を開けると、紀乃の顔が目の前にあった…
なっ、なんだってェーー!?
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-ポン酢→(プロフ) - あんころもちさん» ありがとうございます!とっても励みになりますー!!これからもよろしくお願いします〜!! (2018年5月8日 18時) (レス) id: 21daf65d6d (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください! (2018年5月7日 7時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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