SOS ページ19
「え?ピンチィ?」
仗助が病室で大きな声を出した。
『ぶどうヶ丘3丁目14ー2、国見峠霊園の上らへんの巫家の屋敷!そこに居る!なんか、ヤバい感じするの!スタンド?かわからないけど…とにかく誰か来て!』
そう言うと電話はブチッと切れた。
「ちょ、紀乃ォ??もう、切りやがった…!
なんつーかコレ、グレートにヤバい気がするぜ…!」
「あ、仗助ェ!紀乃ちゃん見つかったのかァー?」
病室の前で億泰が言う。
「ああ。それより億泰…お前、バイク持ってたよな…?それチコっと借りるぜェー」
「ん?まぁ良いけどよォ〜何に使うんだァ…?」
それを仗助に聞いたが返事が来なかった。
仗助は既に部屋を出て、行動を始めていたからである。
「お、おいちょっと待て仗助ェ!何処行くんだよォ!!」
仗助は、ぶどうヶ丘の上の坂道へバイクを走らせていた。
億泰を1人残して。
「酷ェ!仗助のヤツ、俺を置いていったなんてよォ〜!」
その言葉も当然ながら、仗助の耳に入ることはなかった。
山の斜面を登っていき、急カーブにさしかかる。
ぶどうヶ丘3丁目、14-2…?
トラサルディーの前を突っ切り、国見峠霊園の隣の道路にバイクを走らせる。
くそッ、左手に力が入らねェ…!
最近治ってきたと思ったが、まだ完治はしていない。
さらに上の方へ来ると、霧が濃くなる。
家々も少なくなってきた。
近くの電柱を見て、現在地を確認する。
14-2…!
ここだ…!!
確かに奥の方に大きな屋敷がある。
こんなとこ、来たことがない。
バイクを近くに止めて、屋敷に向かう。
重い門を押すと、中には巫の表札があった。
巫!!
ここで間違いねぇみてぇだ。
「おーい!紀乃ォー?居るなら返事してくれよなー!」
ドアの前で紀乃を呼ぶ。
「紀乃ー!!おい、紀乃!居るんだろ?」
ドアを激しく叩くが、返事はない。
くそッ…!
やっぱり中で何か起きてるんだよな…!
俺はおもいきってドアを壊し、中に入る。
「紀乃!大丈…ッ!?」
目の前に紀乃はいた。
足が燃えている姿で。
「も、燃えてるッ…?」
『じょ、仗助…!!』
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-ポン酢→(プロフ) - あんころもちさん» ありがとうございます!とっても励みになりますー!!これからもよろしくお願いします〜!! (2018年5月8日 18時) (レス) id: 21daf65d6d (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 続編おめでとうございます!これからも更新頑張ってください! (2018年5月7日 7時) (レス) id: beb861d356 (このIDを非表示/違反報告)
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