52 drops ページ7
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檜山「竜生はどうしたいと思う、」
「え、？」
檜山「笠原に“会わないでほしい”って言われて、もうそれでいいの？」
「よくないよ、よくないけどさ…俺、Aちゃんが苦しくなるようなことは、したくないよ
きっとさ、1人でたくさん悩んで出した答えだよ。伝えるのだって怖かったと思う。
だけどAちゃんは伝えてくれたから。俺が今できることは、それを受け入れることかなって…。」
講義そっちのけで、今日ずっと考えていたこと。
いくつかの答えを行ったり来たりして、でもやっぱりたどり着いたのはこの結論で。
無理に追いかけても、きっとAちゃんは辛い思いをするだけだから。
それに、万が一俺に何か起こらないために距離を取ることを選んだのなら。
俺はAちゃんの優しすぎるその優しさを、踏みにじってしまうことになる。
檜山「竜生がいいなら、それでいいんじゃない。」
「うん。…でもさ檜山くん、」
檜山「ん？」
「まだ好きでいるくらいは、許してくれたりしないかな。Aちゃん」
まるで自分が振られたかのように、俺の話を聞いているうちにシュン、としてしまった檜山くん。
大好きなはずのチョコレートケーキ、全然食べれてないじゃん。
檜山「それは笠原も同じだろ、お互い様だよ。」
「！…そっか(笑)」
檜山「なににやけてんだよ(笑)」
あ、やっと食べた。
あのね、こういう悩みを聞いてくれる友達が檜山くんでよかったって、そう思っただけだよ。
こんなこと直接言うのは恥ずかしいから
今度は俺が檜山くんになんか奢ってあげなくちゃ。
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作者名：スイ. | 作成日時：2023年3月31日 20時
