ちゅーどく。【朔間凛月】 (ページ10)

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なんとなくずるずるっとその関係を維持したまま、夏季休業期間(実際は課外があるが。)に突入した。

ｶﾞﾁｬ

兄「おーA！元気にやってるか？！」

『お兄ちゃん！久しぶり！』

兄がAの家に泊まりに来た。

兄「アレは大丈夫か？」

『あーうん。この通りですから！』

兄「学校は？」

『それがね、んーちょっと相談？があるの。』

兄「なんだ？」

『プロデュース科は1人しかいないから、アイドル科と一緒に授業を受けてるんだけどね、私好きな人が出来ちゃって。同じクラスの人なの。』

兄「…アイドルってことだな？」

『うん。キスもその人なの。でもその人は私が好きって知らない。』

兄「…難しいなー。キスしてる人ってことだけで考えたら言った方がいいと思うけど。＿＿＿アイドルって恋愛大丈夫なのか？」

『…あ。』

当たり前に気にしていなかった事実。
凛月はアイドル、普通アイドルの恋愛は御法度だ。

兄「キスとかもさ。ファンにバレたら大変かもよ？」

『…』

兄「…まぁそんなに気にするなって。相手がいいって言ったんだろ？悩みすぎるなよ？？」

『…うん。』

気にするなと兄は最後に付け足したが、今までのは凛月の優しさだったかもしれない。本当は迷惑かもしれない。ましてやこの気持ちを持っていては。

＿＿＿＿＿そう気づいてから、Aは凛月と接するのをやめた。

『(課外を乗り切れば夏休み。プロデュースはあるけれど、いつもより接する時間は少ないからそのまま帰れば話さないですむ。)』