【◇】青道のマネしてます

#10 沢村&降谷&御幸ver ページ10

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「あ、Aさん」


ズボンからスカートに履き替え、トイレから出たら沢村とばったり会った。


『よぉ、今日も私以外には元気な沢村くん』

「締めますよ」

『締め返してやるよ。…ってて』

「あれ？腹痛いんですか？珍しい」

『ちょっと今話しかけないでほしいかな…。…痛い……』


あまりの痛さに入り口の前でしゃがみこむと、珍しく沢村が心配して来た。


「だ、大丈夫ですか！」


一緒にしゃがんで背中をさすってくれる。

優しさは嬉しいんだけど今はそのさすりが余計腹痛を起こす。

ぱしっと払ったら、超うるせぇ叫び声が上がった。


「あの何しても怒らなかったAさんが俺の手を払ったァァ！！これは槍が降る！！地球の終わりだなんだこれェェェ！！」

『…るさい……』

「沢村ぁ〜。Aさんになにしたんだぁ〜？」


これまためんどくさそうなやつの声が聞こえて来た。

ぷるぷるになりながら顔をあげると、御幸と降谷の姿が。


「あれ…？まさかAさんこんなとこで大の方ですか…？」

「マジですか。そこにトイレあるのになにしてるんですか汚い」

『…ちょ……っ今…無理……！』

「え？」

「御幸先輩ぃぃ！さっきAさんが俺の手をォォ！手をォォ！！」

「黙れ沢村。Aさん今日アレですか？」


なぜかそういうことに詳しい御幸はすぐに察してくれた。

私はこくんこくんと頷く。

一方鈍感すぎる2人はなんのことかさっぱり分かっておらず。


「アレってなんですかアレって！」

「アレはアレだよ」

「……アレ？」

『……』

「……アレだよ」

『……御幸もういいから……』

「ですよね。じゃ、部室までついていきますよ」

『…ども……』


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『クッソ鈍感ども……』
「あ、Aさんアレですか！？中学の時に若菜が初めてきた！って叫んでた……って事は今日はAさんの初めての日！？」
「沢村、色々違う」
「Aさんについに初めてがァァ！！」
『もういい……』

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